6月に熱中症で救急搬送された人が、全国で6877人にのぼり、そのうち15人が死亡していたことが5日、総務省消防庁の発表で明らかになった。搬送された人数は、昨年の同じ月の2276人に比べて約3倍だった。
6月下旬の東日本と西日本の平均気温は、上・中・下旬ごとの統計を取り始めた1961(昭和36)年以来、それぞれ最高を記録。東京都心が猛暑日(最高気温が35度以上)となった6月29日には、全国で1154人が搬送され、6人が死亡していた。消防庁は「節電が呼びかけられているが、無理をせずに、エアコンや扇風機などを上手に使って熱中症になることを防いでほしい」としている。
さて、浜岡原発を止めて「原発アレルギー」を広め、日本列島を電力不足に陥らせている菅首相はこの状況をどう受け止めるか。
佐賀県の玄海原発は、福島の原発事故後、全国で初の再稼働が期待されている。古川県知事は7日に首相官邸を訪れ、菅首相に来県を要請して再稼働に対する考えを確認する予定だが、6日付日経新聞によると、知事と首相の会談を調整するために、首相に面会した海江田経済産業相は「議論にならなかった」と不調に終わったことを示唆したという。
2003年、熱波が襲ったヨーロッパでは熱中症で5万人が亡くなっている。菅首相が正式に「原発・再稼働宣言」をすれば、全国の自治体は安心して、原発を動かすことができ、過度な節電によって熱中症で命を落とす人も減るだろう。多くの人命を救うためにも、菅首相には正しい判断をくだすことを期待したい。(格)