画像:"Minamitori-shima or Marcus Island" by Yardbox is licensed under CC BY-SA 2.0.

 

《ニュース》

レアアース(希土類)を含む泥の試掘に向けて、海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」が12日、静岡県の清水港を出港し、南鳥島沖に向かいました。現地で3週間余りの試掘作業を行った後、2月14日に寄港する予定です。

《詳細》

今回の試掘は約6000メートルの海底から泥を「ちきゅう」に連続的に引き上げるもので、世界初の試みです。2013年に南鳥島近海の海底表層付近に大量のレアアース泥が見つかり、政府は2018年から掘削プロジェクトに約400億円の投資を行ってきました。

順調に進めば、2027年2月から1日350トンの泥を採取する能力を実証する大規模な採掘試験が始まる予定で、2028~2030年ごろの本格採掘と民間利用の開始が予想されています。

レアアースはスマートフォンや電気自動車、産業用ロボットに使われるモーターなどに加え、戦闘機やロケットのエンジンなどにも欠かせない重要鉱物です。

レアアースの国際市場では、中国が採掘量の68%、精錬部門で90%以上を占めるなど圧倒的なシェアを誇っているため、中国はレアアースの輸出規制を外交上の武器として使用してきました。

今月6日には中国商務省が、高市首相の「台湾有事発言」を理由に、日本向けの軍民両用品目の輸出規制強化を発表しました。レアアース関連製品の日本向けの輸出許可審査が厳格化されるとの見方も出ており、経済界から不安の声が出ています。日本はレアアース輸入の対中国依存度をかつての95%から6割程度にまで下げてきましたが、それでも対日輸出規制がフルスペックで3カ月続けば、経済的損失は計6600億円程度になると試算されています。

そうした中、南鳥島沖には、中国以外での埋蔵がほとんど確認されていないジスプロシウム(レアアースの一種)が日本の需要の400年分、テルビウム(レアアースの一種)は数百から数千年分存在しているとも分析されており、生産に成功すれば、中国依存から一気に脱却できるとして大きな期待を集めています。

《どう見るか》