アメリカは本年、建国250周年を迎える。国の節目の年として、全国各地で、祝賀行事や特別展、文化イベント、記念庭園の建設などが行われ、「America 250」と名付けられた公共事業は2028年ごろまで続く予定だ。

2025年12月、トランプ大統領の妻・メラニア夫人が監修したホワイトハウスのクリスマスデコレーションでは、建国250周年を祝って、あちこちに「America 250」が表示されると共に、メインのクリスマスツリーの両側には、ジョージ・ワシントン初代大統領とトランプ大統領の肖像の額が飾られた。

ジョージ・ワシントン初代大統領とトランプ大統領の肖像が並べて展示。

あちこちに「America 250」の表示。

今年6月から7月にかけては、世界最大のスポーツイベント、FIFAワールドカップ2026が、カナダ、メキシコ、アメリカの3カ国にまたがる16の都市で開催され、史上最大規模となる48カ国のチームが参加し、104試合が行われる。

ワールドカップは「スポーツ外交」とも位置付けられており、トランプ大統領は、この大会を非常に重視し、ホワイトハウスにタスクフォースを設置して(大統領令)、去年秋から開催国や参加国の大使やサッカー選手などを招いて、親善会議やイベントなども行われている。

中間選挙の動向

さて、本年最大の政治イベントは、11月3日に行われる中間選挙だ。大統領選や中間選挙では、知事選や市長選、州議会選挙なども同時に行われるが、去年暮れから中間選挙の話題が一気に増え、注目すべき選挙や、選挙区毎の選挙予想なども行われている。

2024年11月5日の大統領選では、トランプ氏が、あらゆる予想を裏切って、7州の激戦州全て、及び、総得票数でもカマラ・ハリス前副大統領に勝利し、上院も下院も共和党が過半数を獲得するという、40年ぶりの大勝利だった。

しかし、中間選挙は、歴史的に、下院議会(全435議席が2年毎に改選)において政権与党が苦戦する傾向が強く、野党が過半数(218議席以上)を獲得して「ねじれ議会」となることが多い。

選挙の最大の争点は、一般市民にとっての物価水準(生活コスト)になるだろうと見込まれており、両党共に盛んにメッセージを発信しており(手頃な価格という意味の"Affordability"を訴求)、トランプ氏も「プライシング(Pricing/価格)が中間選挙を決める」と予見している(25年12月27日付「Truth Social」)。

実際、去年11月に大きな話題となったニューヨーク市長選やシアトル市長選で、自称「社会主義者」が勝利した最大の要因(の一つ)は物価の高騰だったと分析されている。

第2次トランプ政権の一年を振り返る

大統領選でトランプ氏が大勝利した理由として、一般的には、インフレと不法移民問題(犯罪と直結)の2つが最大の要因とされ、バイデン―カマラ政権への不満が爆発した結果と言われている。また、元ニューヨーク州知事のクオモ氏(民主党)は、トランプ氏に対してあまりにも理不尽な訴訟を次々に起こしたことが民主党の敗因だと発言した。

民主党陣営は、あまりの完敗ぶりにショックを受け、一年以上経った今も敗因の分析を発表できず(内部分裂し意見をまとめられない)、リベラル系メディアから批判もされているが、選挙直後、比較的多くの民主党議員や主要メディア・識者が、トランプ氏の勝利をアメリカ国民のメッセージとして受け止め、トランプ氏を異端視する論調が減り、トランプ氏が「ノーマル」(スタンダード)になったとも言われた。

トランプ氏の大統領就任前から、最左翼ニュースチャンネル(MSNBC)の代表的アンカーや、アルゼンチン、カナダ、イタリアの首脳、北大西洋条約機構(NATO)事務総長などが、次々にマール・ア・ラーゴ(フロリダのトランプ氏の私邸)にトランプ氏を訪問し、ワシントン・ポストは、社説を中道(自由市場)路線に変更すると発表し、ロサンゼルス・タイムズは、幹部を入れ替えて左翼論調から変化させた。

「ゴールデン・エイジ」の到来を謳う第2次トランプ政権における怒涛のような激しい政策発動については、特に関税政策を指して、予測不可能な「ジェットコースター」("Roller coaster")などと言われたが、9割以上のエコノミストが主張した「関税によって不況が来る」という予想は大外れとなった(参照:米経済予測「トランプ関税で景気が悪化する」は結局、大外れだった ─ 反トランプ報道を展開したメディアはまたしても、トランプ氏に「完敗」)。

25年12月23日に発表された7~9月期の国内総生産(GDP)は市場予想を大幅に上回り(4.3%増)、インフレ率(25年11月時点)は2.7%に低下し、24年(バイデン政権下)の同時期(GDP2.8%、インフレ率3.0%)と比較すると、アメリカ経済は、トランプ氏の公約通り、力強く復活し始めている(バイデン政権下でインフレ率は最高9.1%にまで跳ね上がり、国民の不満が集中した)。

トランプ政権の政策として、上の関税政策以外に、大型減税法案(「トランプ減税」の恒久化と追加減税策。25年7月成立)、国境強化対策(不法移民対策)、政府改革(政府効率化や、DEI(多様性、公平性、包括性)やLGBTQ啓蒙方針の撤廃)、エネルギー・環境政策の規制緩和・撤廃、そして、和平外交などがあるが、これらの政策の背後には特徴的な理念の柱がいくつかある。(後編に続く)

(米ワシントン在住 N・S)

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