《ニュース》
米トランプ大統領は21日、自身のSNSで、米南部ルイジアナ州のランドリー知事を「グリーンランド担当特使」に任命すると発表しました。
《詳細》
グリーンランドは1953年までデンマークの植民地で、現在はデンマークの自治領です。行政権や資源管理権は2009年にグリーンランド自治政府に移譲されており、グリーンランドの住民(約5万6千人)は、グリーンランドの主権国家としての独立も視野にいれています。
グリーンランドは北米と欧州を結ぶ最短ルート上にあり、アメリカや北大西洋条約機構(NATO)の安全保障計画にとって戦略的要地。グリーンランドには米軍基地が置かれています。同基地はアメリカのミサイル防衛にとって重要な拠点であり、カナダからも目と鼻の先にあります。
トランプ氏はこれまで、グリーンランドは航路沿いの要地であること、未開発の鉱物資源が埋まっていることを理由に、アメリカがグリーンランドを所有すべきだと訴えてきました。
そして22日、記者団に対し、「グリーンランドは鉱物資源のためではなく、国家安全保障のために必要だ。グリーンランドの海岸線を見渡せば、ロシアや中国の船舶が至る所にある。我々はそこを手に入れなければならない」と述べました。
担当特使に任命されたランドリー氏は、米保守メディア「FOXニュース」のインタビューで、欧州はグリーンランドを無視してきたと批判し、アメリカの安全保障のために介入する必要があると指摘しました。
「ロシアの潜水艦がグリーンランドを周回する。中国は西半球からレアアースをむしり取るだろう。トランプ氏が当選し、ワシントンが何十年も忘れていたことを言う」「我々は彼ら(グリーンランドの人々)を気にかけている。我々は最速の安全保障ルートだ。アメリカから約1時間、欧州からは3、4時間だ」(ランドリー氏)
一方、デンマークのフレデリクセン首相とグリーンランド自治政府のニールセン首相は22日、共同声明を出し、安全保障が理由でも他国を併合することは許されないとし、「グリーンランドは現地の人々のものであり、アメリカが乗っ取ることはあってはならない」と述べています。
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