2026年2月号記事
習近平氏に対し、高市首相がやるべきこと
日中関係が日に日に悪化し、改善の糸口が見えないと、連日のようにメディアを賑わせている。日本はいかにして、中国と対峙すべきか。
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習近平氏に対し、高市首相がやるべきこと ─ Part 2 高市首相は、ウクライナ戦争を停戦させよ
高市首相は、ウクライナ戦争を停戦させよ
岸田・石破路線との決別──
日中関係が思わぬ形でクローズアップされ、高市首相の対中姿勢の本気度が試されている。就任早々に手腕が問われることになったが、試金石となるのは、実は台湾問題だけではなく、「ウクライナ・ロシア外交」もある。
ウクライナが戦えば戦うほど和平案は不利に
ウクライナ戦争が太平洋戦争より長引く中、ウクライナが押し切られ、「停戦があと一歩」になっている(執筆時点)。以下の理由により、ウクライナが最終的に折れざるを得なくなると見られる。
(1)ウクライナには戦争を続ける資金が足りない。すでに30兆円以上を支援してきたヨーロッパは、アメリカが支援から抜けた分も含め、2026~27年の2年間で約16.3兆円を追加で負担しなければならない。だがヨーロッパはこれ以上のしわ寄せを納税者にもたらしたくなく、日本にも負担を求めている。
(2)ウクライナ軍は極度の人手不足に陥っている。毎月3万人程度を新たに動員し続けているが、25年1~10月までに約18万人が脱走するなどして戦力を失っているため、ロシアの進撃が加速している。
(3)ウクライナは戦えば戦うほど、領土を失う矛盾が起きている。25年の"唯一の成果"は領土奪還ではなく、「ドローンを使ったロシアのエネルギー施設への攻撃」であり、それでも「石油処理能力を3%しか減らせなかった」とロイター通信が報道(*1)。要するにロシアにとっては、ほぼノーダメージだった。
(4)ウクライナのゼレンスキー大統領の盟友が、150億円規模の汚職に手を染めていたことが11月に露見し、ウクライナ支援国を震撼させた。これを受けてイタリアが軍事支援を延期し、デンマークは半減する方針を打ち出している。
(5)欧州連合(EU)が発動するロシア制裁が効いておらず、ロシアはまだまだ戦える。EUは少なくとも制裁を19回発動してきたが、ベッセント米財務長官は「同じ行動を19回繰り返さなければならないのであれば、それは失敗したことになる」と述べ、ヨーロッパに敗北した現実を受け入れろと訴えている。
ゼレンスキーは選挙で負けるから譲歩したくない
かくして、ウクライナを取り巻く状況は悪化しており、和平を拒否しても、今より状況がよくなる保証はない。
結局、交渉の最大の障害となっているのは実はロシアではなく、ゼレンスキー氏個人であることは、同氏を応援してきた米大手誌アトランティックまでも、「ゼレンスキー氏は選挙で負けるから、領土を割譲したくない」と客観的に分析する。勝てない戦いを続けることで、貴重な人命が失われることは避けるべきだ。
(*1)2025年11月13日付
トランプ和平案は大川総裁の提言と100%一致する
日本は公式にウクライナ外交を転換させるべき
Column 大川総裁の予測通りに、世界は動いた

























