《ニュース》

高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発し、中国政府は日本産水産品の輸入停止や、自国民への渡航自粛の呼びかけを行っています。

経済への打撃を懸念する声が上がる一方、前回の輸出停止で大きなダメージを受けたホタテ産地などでは「脱中国」が進み、影響が軽微であることが話題を呼んでいます。

《詳細》

処理水問題を理由に中国は2023年、日本産水産物の輸入を全面停止しました。今年6月に再開しましたが、11月19日に突如、事実上の再停止を発表したと報じられました。関連企業の多くから落胆の声があがりましたが、前回打撃を受けた水産品の中には、販路拡大により中国依存から完全に脱却したものもあります。

代表例がホタテです。対中輸出される産品の主力であり、当初、輸出額の37%が中国向けでした。それがいきなり「0%」になった衝撃は並大抵のものではありませんでした。しかし水産業者たちは販路拡大に取り組み、アメリカ、台湾、ベトナムなどへの輸出を増加。中国の禁輸効果を相殺したのみならず、輸出額そのものを毎年数十%の勢いで増加させています。

その他、養殖ブリ、サーモン、ウニ、アワビなどさまざまな水産物も中国以外の海外輸出を増やしました。全体でも輸出先トップだった中国が抜けたにもかかわらず、輸出額は堅調に伸びて過去最高を更新しています。

こうしたなか、中国が輸入解禁しても、「チャイナリスク」を避けて同国への再販売に慎重だった漁業関係者も多く、今回の"再禁輸"の影響も小さいといいます。

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