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アメリカが提案したウクライナとロシアの和平案をめぐり、トランプ米大統領は21日、ウクライナに対して、感謝祭の祝日に当たる「27日までに」受け入れるよう求めました。

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アメリカがこのほど提示したウクライナ戦争の和平案は28項目で成り立っており、「ウクライナは主権を守られ、安全の保証を得られる」「ウクライナ東部のドンバス地方をロシアに割譲」「ウクライナの軍縮」「ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟の禁止」「ロシア制裁の段階的な解除」などが盛り込まれていると伝えられています。

基本的な内容は、ウクライナのゼレンスキー大統領が開戦初期の2022年に、一度は同意しておきながら、後からひっくり返した「イスタンブール合意」と変わらないと、ウクライナを擁護する米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」が指摘しています。

トランプ氏は米FOXニュースのラジオインタビューで、「私にはたくさんの期限があり、物事がうまく進めば期限は延長されることも多い。だが、27日が期限だ」と回答期限を設けていると説明。ロイター通信によると、ウクライナが合意しなければ、アメリカはウクライナへの情報共有や武器供給を減らす方針を示しているといいます。一方で、ロシアのプーチン大統領は21日、和平案を受け取ったことを明らかにし、「最終的な和平合意の基盤として活用できると考えている」と述べ、ウクライナが交渉を拒否すれば、ロシアの進撃は続くとしています。一方のゼレンスキー氏は、「尊厳を失うか、主要なパートナーを失うリスクを負うか、極めて困難な選択を迫られている」「ウクライナは今、歴史の中で最も困難な時期に直面している」などと語り、厳しい認識を示しました。

停戦交渉をめぐっては、ゼレンスキー氏が23年に、ロシアを蚊帳の外に置き、ロシア軍の全土撤退を前提にしたウクライナ有利の案などをつくりましたが、戦争終結への道筋は全く見えず、泥沼化してきました。停戦を訴えて当選したトランプ氏がウクライナ支援から抜け出し、「仲裁」に回ったことで、いよいよ交渉が本格化しています。

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