《ニュース》

さまざまな紛争を停戦させ、ガザ和平案の合意を仲介したトランプ米大統領は、注目されていたノーベル平和賞を受賞できず、ベネズエラの野党指導者であるマリア・コリーナ・マチャド氏が受賞しました。マチャド氏は、独裁者が強い反米左翼のニコラス・マドゥロ大統領に抵抗する象徴的人物と見なされています。

《詳細》

ベネズエラのマドゥロ政権下では、生活難や弾圧などで約800万人が国外に脱出するなど、多くの人々が圧政に苦しんでいます。受賞したマチャド氏は2010年の国会議員選挙で過去最多の得票で当選し、「将来の大統領候補」と目されてきました。しかし、マドゥロ政権はマチャド氏を弾圧し、公職追放。マチャド氏は身の危険を感じつつも、ベネズエラ国内で活動を繰り広げており、その勇気も受賞理由の一つとなりました。

多くのマスコミは、「自身こそノーベル平和賞の受賞にふさわしい」と発信してきたトランプ氏が選ばれなかったことに"安堵"している模様です。米ホワイトハウスの高官が受賞を逃した理由について「ノーベル委員会は、平和よりも政治を優先した」と述べたことを受け、「トランプ氏選ばれず不満」(FNNオンライン)と報道しています。

しかし、平和賞を授与されたマチャド氏はXに、「これまで以上に、私たちはトランプ大統領を頼りにしている」とし、トランプ氏の「私たちの大義への揺るぎない支持」を称賛するコメントを投稿。つまり、受賞した人物がトランプ氏のリーダーシップを高く評価しているという微妙な状況を生んでいます。

トランプ米政権はマチャド氏らベネズエラの野党勢力を支援し、マドゥロ政権への圧力を強めています。マチャド氏にとって、トランプ氏を含むアメリカは力強い味方であり、左翼マスコミのように、彼をこき下ろす必要がないのです。

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