《ニュース》
トランプ米大統領が不当にアカウントを停止されたとして動画配信サイト「YouTube(ユーチューブ)」を訴えていた裁判で、YouTube側が2450万ドル(約36億4000万円)の和解金を支払うことで合意しました。
《詳細》
2021年1月の米連邦議会襲撃事件の後、YouTubeなどのSNS各社は「(トランプ氏が)投稿を通じてさらなる暴力行為をあおる危険性がある」と見て、同氏のアカウントを停止しました。これに対し、トランプ氏は同年7月、保守的な言論を違法に封じたとして、YouTube、Twitter(現・X)、Facebook(現・メタ)の3社を提訴しました。
バイデン前政権下では連邦判事が訴訟を棄却し、トランプ氏側が控訴するなど、裁判は難航していましたが、トランプ氏が大統領に復帰したことで風向きが変化。メタは25年1月に2500万ドル、Xは2月に1000万ドルの和解金を払うことで同意し、そして9月29日にYouTubeも合意したことで、一連の訴訟はすべて決着しました。
それとは別にYouTubeの親会社であるGoogle(グーグル)は同月23日、バイデン政権からの圧力を受けてYouTubeのコンテンツを検閲していたことを認めました。同社の弁護士が米下院司法委員会宛てに送付した書簡には、バイデン政権が「特定のユーザーが作成したコロナ関連の動画について、繰り返し継続的に働きかけ、圧力をかけてきた」「(YouTubeのポリシーには)違反していない(にもかかわらず)動画を削除するよう同社に圧力をかけ続けた」と記されており、このような政府による圧力は「容認できず、間違っている」としています。
またGoogleの書簡は、「コロナ関連の"誤情報"」や「"虚偽"の選挙情報」を投稿したとして永久凍結されたアカウントを復活させる可能性も示唆しています。凍結されているアカウントには、連邦捜査局(FBI)副長官ダン・ボンジーノ氏や、トランプ第一次政権の首席戦略官スティーブン・バノン氏らが含まれます。
米下院司法委員会が24年5月に発表した調査によると、バイデン政権は21年春以降、YouTubeに対して、「誤情報の疑いがある動画の削除と削減」を求める圧力をかけ続け、「なぜ特定の動画が削除または検索順位が下げられていないのか」を問うこともあったといいます。こうした圧力を受け、YouTubeは同年9月、「ワクチンの安全性と有効性に疑問を投げかける動画」をより多く検閲するための新しいポリシー案を作り、最終決定する前にバイデン政権に提出し、フィードバックを求めました。バイデン政権はこの検閲拡大を称賛し、「素晴らしい一歩だ」としたと記されています。
同調査では他にも、バイデン政権がFacebookやAmazon(アマゾン)にもコロナワクチンへの批判や保守的な見解を"誤情報"として検閲するように圧力をかけていたことが指摘されています。
日本においても、自民党総裁選に立候補している小泉進次郎氏の陣営が、小泉氏に対する好意的コメントや他候補を中傷するコメントをニコニコ動画に書き込むように陣営関係者に依頼していたことが明らかになるなど、SNSを通じた世論操作が危ぶまれています。
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