《ニュース》
中国船がこのほど、日本最南端・沖ノ鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)にて事前同意のない海洋調査を行っていたことが確認され、政府は外交ルートで抗議しました。これに対し中国側は27日、「日本が干渉する権利はない」と反論。尖閣沖と並び、同海域での無断の活動も常態化しつつあり、警戒が必要です。
《詳細》
海上保安庁は26日、中国の海洋調査船「嘉庚(かこう)」が、沖ノ鳥島の東約270キロの海域でワイヤのようなものを海中へ延ばしているのを確認しました。国際法上、同域内での調査には日本側の同意が必要であり、海保の航空機は無線で中止を要求。調査船は数時間後、EEZ外に出ました。
林芳正・官房長官は、外交ルートを通じて抗議したことを明らかにしましたが、中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道局長は27日の記者会見で、沖ノ鳥は「島」でなく「岩」であると改めて主張。同海域は日本のEEZとは認められず、調査船の活動は公海での自由な航行だと正当化しました。
中国がこの海域で調査船による活動を行ったのは、昨年1月1日以来のこと。同島は日本の国土全体の面積を上回るEEZを持ち、海底にはレアメタルやレアアースなど貴重な資源が豊富に埋蔵されていることが分かっています。
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