老子とシャンバラ
古の聖者が伝えた、永遠の「道」と「理想郷」──
無神論国家・中国でも、今なお、民衆の心の中には「霊的な思想」が生き続けている。
2019年、大川隆法・幸福の科学総裁は映画『ドラゴン・ハート─霊界探訪記─』製作の参考として芥川龍之介の霊言を収録した。その中で芥川の魂は道家の祖・老子とのつながりが深いことが明かされている(*1)。
確かに、生前の未定稿を見ると、上海のあるホテルに来た白髪の老紳士が、実は老子だったという小話(「上海の或ホテル」)があり、芥川が老子を身近に感じていたことがうかがえる。
『杜子春』や『黄粱夢』など、道教をモチーフにした作品も多く、中国霊界にも魂の郷愁を感じていたようだ。
そして、「老子は時々(中略)仏陀と挨拶をかわせている」と記したように、老子が天上界の高みにいることも感じ取っていた(*2)。
こうした霊的な真実を踏まえると、文学者や思想家の本当の素顔が見えてくる。そこで、前月号の芥川記事(*3)の続きとして、老子の偉大性を再発見してみたい。
(*1)『映画「ドラゴン・ハート─霊界探訪記─」原作集』
(*2)『侏儒の言葉・西方の人』(新潮文庫)
(*3)2025年5月号「芥川龍之介が描いた『神への愛』」
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

芥川龍之介の『杜子春』では、仙人の鉄冠子と仙人修行を志願した杜子春が青竹に乗って道教の聖地・峨眉山に向かって飛んでいく途中、洞庭湖の上を飛び超えていく(写真は洞庭湖)。
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