《ニュース》
農林水産省は19日、2025年秋に収穫される主食用コメの作付面積が全国合計で128.2万ヘクタールとなり、24年産より2.3万ヘクタール(2%)増える見通しだと発表しました。130万ヘクタールだった21年産と同水準となります。
《詳細》
24年夏ごろから、主食用のコメの供給不足と価格高騰が続いており、これを背景に農家の生産意欲が高まった形です。コメ増産は2年連続で、都道府県別にみると、北海道や東北、北陸など19道県で増産となる見込みです。
しかし専門家からは「コメの供給不足を解消するのに十分な量とは言えない」という声が上がっています(20日付日本経済新聞、毎日新聞)。
日本政府は1971年から、過剰になったコメの生産を減らして、コメの価格を高く維持する「減反政策」を取ってきました。2018年、安倍政権は、都道府県ごとの生産目標量を示すことを廃止。これにより農家や農業法人は自主判断でコメをつくることが可能となったとされています。
しかし、農林水産省は、国内需要予測とそれに基づく国全体の生産量目安を毎年示しており、これをもとに自治体やコメ生産を管理する農協などが中心となって、コメの生産量の「目安」を農家に提示し、減産を指導しています。また、コメから転作する農家には、補助金も支払われています。つまり、「事実上の減反」は続いている状態です。
しかも、必ずしも各都道府県が提示する生産量の目安通りにコメが生産されているわけではなく、酷暑や台風などの影響で収量が減ることも多いといいます。
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