北沢防衛相は13日、沖縄県庁を訪れ、仲井真知事と会談。今月21日に開催予定の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)で議題に上がる普天間問題について、「辺野古への移設」「滑走路2本のV字案」で進める方針を正式に伝えた。

これは自民党政権下の2006年に日米で合意した案である。つまり、民主党が2009年夏の衆院選で、「県外、国外移設」を公約に掲げて以来、約2年もの間、迷走を重ねたという証拠だ。アメリカに不信感を抱かせて日米同盟に亀裂を入れ、沖縄県民にいらぬ期待と失望、そして怒りを抱かせてきた。民主党が余計なことを言わなければ、2014年までに移設が進むはずだったが、この迷走のおかげで21日の会合では、日米両政府の間で2014年までの移設は事実上不可能として、この期限が撤回される見通しである。

振り返れば、09年秋の参院本会議で、混乱の張本人である鳩山首相(当時)は、この問題について、「10年以上結論を出さなかったのはどの政権でしょう?」と自民党を揶揄し、堂々と「最後は私が決断するので心配は無用です」と語っていた。もちろん、自民党も責められるべき点はあるが、尖閣事件でも分かるように、現在の日本には中国の脅威が目前に迫っている。沖縄の米軍基地は、その中国を牽制するために大きな役割を果たしているのだ。この危機意識を、民主党政権はどこまで真剣に受け止めているのか。

会談で、仲井真知事は、県民の理解が得られないことを理由に反対する考えを示した。だが、この国難とも言うべき混乱は、地方に国家の重要な判断を押しつける、民主党の「地域主権」という無責任な考え方が招いたものだ。民主党は政権の座から降りるまでに、この問題について自らけじめをつけなければいけない。(格)

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