《ニュース》

南米ペルーの首都リマ郊外で14日、中国国有の海運最大手「中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)」が60%を出資したチャンカイ港が開港しました。南米の新たなハブ港として期待される一方、中国の経済圏構想「一帯一路」の要としても、機能すると見られています。

《詳細》

チャンカイ港は、南米の太平洋側で大型船が寄港できる初めての港です。コンテナ取扱量は年間150万TEU(20フィートコンテナを150万個)で、リマ近郊のペルー最大のカヤオ港と合わせると、南米最大のブラジル・サンスト港を上回る規模になります。

チャンカイ港は太平洋横断貿易の拠点として機能し、小型船がコンテナをチリやエクアドル、コロンビアなどの港に運ぶことを計画。同港の開港により、南米から中国への輸送にかかる日数は35日から25日に短縮され、南米と東アジアの貿易を一変させると見られています。

ペルーやブラジルなどの中南米諸国の大半にとって、中国は最大の貿易相手国です。中国は中南米から食料品や農作物、銅やリチウムなどの重要鉱物を輸入し、中南米に向けて電気自動車や鉄鋼などを輸出しています。

チャンカイ港の建設プロジェクトには、中国から約13億ドルという巨額の投資がなされました。コスコ・グループによると、港のあらゆるものが「メイド・イン・チャイナ(中国製)」だといいます。

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に参加するために、ペルーを訪問中の中国・習近平国家主席は14日、開港式典にオンラインで参加。政府系紙ペルアノにも寄稿し、チャンカイ港は年間45億ドル(約6900億円)の経済効果をペルーにもたらすと指摘しました。この金額はペルーの国内総生産の2%にあたります。

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