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岸田文雄首相は14日、記者会見で9月の自民党総裁選に立候補しない意向を示しました。総裁選で新たな自民党総裁が選出された後、岸田氏は首相を退任します。

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自民党派閥の裏金スキャンダルや、生活費の上昇や円安などの経済的苦境で、政治不信が強まる中、岸田政権への支持率は昨年12月以来、1割台に留まり続けてきました(時事通信の世論調査)。今年7月の世論調査では岸田政権への支持率は15.5%と、自民党が政権復帰した2012年12月以来、最低を記録しています。

岸田氏は記者会見で、「今回の総裁選では、自民党が変わる姿、新生自民党を国民の前にしっかり示すことが必要だ。自民党が変わることを示す最も分かりやすい最初の一歩は、私が身を引くことだ。私は来たる総裁選には出馬しない」と明言しました。

また「30年続いたデフレ経済に終止符を打つための賃上げや投資の促進、電力需要の大幅な増加などに対応するためのエネルギー政策の転換のほか、大規模な少子化対策の実行や防衛力の抜本強化、強固な日米関係を基礎にしたG7広島サミットの開催や、分断が進む国際社会で協調に向けた国際的な議論をリードし、外交を多角的に展開することなど、大きな成果を上げることができたと自負している」と述べました。

そして今後の課題として、経済や安全保障、子ども政策を挙げ、「日本は内外で難局に直面している。だからこそ政治の信頼、国民からの信頼が大事だ。共感や信頼を取り戻すことで、政策を前に進めることができる」などと語りました。

衆議院議員の任期満了まで約1年となる中、自民党内から「岸田首相のままでは選挙を戦えない」という声が上がっていました。岸田氏は党内のこうした声に抗えなくなったとの指摘も出ています。

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