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原子力規制委員会は2日、福井県の敦賀原子力発電所2号機の再稼働について、正式に「不合格」とする手続きを進めるよう、事務局に指示しました。

《詳細》

敦賀原発の再稼働に向けた審査が申請された2015年以降、争点になっていたのは、「原子炉建屋の下に伸びている断層が活断層かどうか」です。2011年の東日本大震災を機につくられた新規制基準では、活断層の真上に原子炉などの重要施設を設置することは認められていません。

敦賀原発の事業者である日本原子力発電所(原電)は、掘削調査で火山灰の堆積状況などを確認し、「原子炉の真下に活断層はない」と主張。これに対し、審査チームは「(堆積状況の)緻密な検討は困難」などとし、原電の主張を退けました。

そして、規制委員会は先月26日に行われた審査会合で、敦賀原発2号機の原子炉の真下に活断層が走る可能性を否定できないと結論づけました。その後も原電は、断層に関する追加調査と申請内容の修正を求めてきましたが、規制委員会は「原電の説明は具体性に乏しい」としてそれらの要求を退け、事務局の原子力規制庁に対し、審査に不合格となったことを示す審査書案の作成を指示しました。

秋にも不合格が正式決定される見通しで、2012年の規制委員会の発足以降初めて、再稼働が認められないことになります。廃炉にするかどうかの判断は事業者に委ねられており、再申請も可能ですが、今回の結論を覆す新たな試料や知見がなければ合格は難しいと見られています。

もし廃炉になれば原電の収入は激減し、経営に大きな打撃を与えます。原電の村松衛社長は「敦賀原発2号機は経営上極めて重要と考えていて再稼働を目指すのが基本だ」と述べ、再申請する考えを示しています。

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