2024年9月号記事
「ディープステート」論の正しい見方
トランプ現象で広がった"陰謀論"をどのように考えればよいか。
Contents
p.10~
ディープステートはトランプに反旗を翻す国家官僚
p.12~
Interview ディープステートに堕ちたCIAとFBI
米安全保障政策センター戦略担当上級アナリスト J. マイケル・ウォーラー
p.16~
「グローバリズム」の正しい見方
p.20~
「先祖返り」では未来は開けない
p.22~
軍産複合体とネオコンがバイデンを操っているのか??
p.26~「世界を操作する者」の正体とは何か
contents
「ディープステート」論の正しい見方 - Part 1
前回の米大統領選を控えた2020年以降、「ディープステート」が日本のSNS上で広がり、特にユーチューブを頻繁に視聴するシニア層の心を鷲掴みにしている。
ディープステート(影の政府)が世界を操作している。日本はディープステートの支配から脱却しないといけない──という物語が拡散し、離れて暮らす親がいつの間にかその世界観に執着し、意思疎通がとりづらくなったという人まで出てきている。
トランプ氏が広めた張本人
人々の心に刺さるディープステートという言葉を広めたのは誰なのか……。
何を隠そう、トランプ前大統領自身である。トランプ氏は「ディープステートを解体し、腐敗したワシントンに民主主義を取り戻す」と繰り返し訴えており、共和党もディープステートをメジャーな政治問題として真正面から議論している。
トランプ氏の影響を受ける日本の保守派の中には、「ディープステート」論をさらに派生させ、「グローバリズム」や「軍産複合体」、「ネオコン」なる言葉にも再注目し、「実は世界はそうした勢力に支配されている」という言説を広げている人たちもいる。
一方で、それらの言葉の定義が曖昧であることを突いて、独自の解釈を加えて再生数を稼ぐユーチューバーも増えるなど、日本の言論空間がやや混乱状態にある。
トランプ氏を含む米保守派は一体何と戦い、どのように解決しようとしているのか。そして日本は、ディープステートやグローバリズムなどをどう考えるべきか。
※文中や注の特に断りのない『 』は、いずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。
ディープステートはトランプに反旗を翻す国家官僚
Interview トランプ再選でも100件超の訴訟を計画 ディープステートに堕ちたCIAとFBI / J. マイケル・ウォーラー氏