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バイデン米大統領はこのほど、2025年度の「予算教書」を発表し、7兆2660億ドル(約1068兆円)の歳出や、富裕層・大企業の増税を行う方針を掲げました。

《詳細》

「予算教書」は、アメリカ大統領が議会に提出する翌会計年度の予算編成方針や財政見通しなどを示すものです。バイデン氏は11日、2025会計年度(24年10月~25年9月)の予算教書を発表。国防や社会保障の拡充などで、歳出の要求総額は24年度比4.7%増の7兆2660億ドルとなりました。

国防費を1%増の8952億ドル(131兆円)としたほか、ウクライナ向け兵器を企業から調達するための基金である「ウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)」に3億ドル(440億円)を計上しました。そのほか、低・中所得者層を支援するため、住宅ローン減税や薬価の引き下げ、児童税額控除の復活などに取り組むとしています。

一方の歳入面では、富裕層や大企業に対する「増税」などによる増加を見込み、前年度比7.9%増の5兆4850億ドル(約806兆円)とした上で、10年間で3兆ドル(約440兆円)の財政赤字の削減を目指す方針を示しました。

具体的には、1億ドル以上の所得がある富裕層に新たに25%の最低税率を設けるほか、大企業の最低法人税率を15%から21%に引き上げるなどして、4兆9000億ドル(約720兆円)の税収増を見込んでいるといいます。ただ低・中所得者層には、今後10年間で7650億ドル(約110兆円)の減税を行うとしています。

なお、小さな政府路線の共和党は、増税に批判的で歳出削減を求めており、バイデン氏の提案通りに予算案が成立する可能性は低いと見られています。共和党のジョンソン下院議長は声明で、「的外れなだけでなくアメリカの衰退を加速させる内容だ。バイデン氏の誤った予算案を拒否し、我が国を財政健全化の道へと導くための行動をとり続ける」と述べています。

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