アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
中国外務省の汪文斌・報道官は2月5日、北京市第二中級人民法院(裁判所)が中国系オーストラリア人作家、楊恒均・博士に対し、2年間の執行猶予付き死刑判決を下したと発表した(*1)。
同法院は楊氏を「スパイ行為」で有罪とし、執行猶予付き死刑判決を言い渡し、彼の全私財を没収した。
このニュースはオーストラリア世論に衝撃を与え、同国のペニー・ウォン外相は、「可能な限り強い言葉で対応する」と述べ、中国駐豪大使を召還した。
(*1)2024年2月5日付『万維読者網』
中国の人権侵害を批判し"処罰"されたのか
楊氏(本名、楊軍)は、若い頃、国家安全部に勤務している。1999年、オーストラリアへ移住し、作家として中国の「民主化」に関する記事を発表してきた。2019年1月、楊氏は妻と連れ子と共にニューヨークから広州へ飛んだが、そこで中国当局に拘束され、「スパイ容疑」で起訴されている。