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米上院議会に提出されたウクライナ支援を含む対外支援法案に、「もしトランプ氏が大統領になりウクライナ支援を止めたら、弾劾する」という「時限爆弾」がセットされていることが指摘され、保守系を中心に反発しています。

《詳細》

その文言は、ウクライナへの支援610億ドルのほか、イスラエルへの支援など合わせて950億ドル(約14兆円)規模の予算案とともに盛り込まれています。民主党議員のほか、一部の共和党議員(12日時点で18人)が一転して賛成に回っており、これまで反対してきた共和党がなぜ賛成したのか不明でした。

しかし、オハイオ州選出の共和党上院議員J・D・ヴァンス氏は、「数百ページにもわたる今回の支援法案の文言には、もしウクライナ支援をストップしようとした場合にトランプ氏を弾劾できる『時限爆弾』が隠されている」と警告。これにより、反トランプの一部議員が賛成に回ったのではないかと問題視されています。

ヴァンス氏は本法案の「2025年9月30日までウクライナ支援を継続する」という箇所に注目し、この文言が、「私が大統領になったら、24時間以内にウクライナ戦争を終わらせる」と宣言しているトランプ氏への邪魔になるとしています。もしトランプ氏がこの文言を無視して支援を中止させた場合、「大統領の職権乱用」などを根拠にして議会がトランプ氏の弾劾を求める恐れがあると指摘しているのです。

その根拠としてヴァンス氏は、2019年12月に当時大統領だったトランプ氏が弾劾を受けたケースを挙げています。この時に民主党は、トランプ氏がUSAI(ウクライナ安全保障支援イニシアチブ)からの資金支出を拒否したことに疑義をつけ、大統領が「権力の乱用」と「議会の妨害」をしたとして弾劾する決議案を下院で可決しました(翌年、上院で否決されている)。

ヴァンス氏はこれを例にとって、「トランプ氏が約束通り戦争終結の交渉をすれば、民主党は間違いなく『彼が法を犯した』と主張するだろう」と指摘しています。なお、上院で法案が通過したとしても、トランプ氏と連携の深い共和党議員の多い現在の下院で可決されるかは不透明だと見られています。

この法案に対しては、「狂っている(insane)」(X社CEOのイーロン・マスク氏)、「次期大統領の手を縛る、ひどいアイデアだ」(ランド・ポール共和党上院議員)などと、多くの懸念の声が相次いでいます。

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