2月23日より全国公開予定
《本記事のポイント》
- ソウルメイトとは、人生に欠かせない魂的に縁の深い人々
- ソウルメイトとの出会いが、人生を意味深くする
- 宇宙的な広がりを持つソウルメイトのネットワーク
性格も価値観もまるで違う2人の幼馴染が想い合い、時には激しくぶつかり合いながらも互いに深く人生に影響を与え、それぞれの生きていく意味を深め合っていくソウルメイトの物語。
豊かな自然に恵まれた済州島に暮らすミソとハウンは、小学生からの無二の親友だ。
絵を描くのが好きな2人は、性格も価値観も正反対で、時にすれ違いながらも、互いにその本当の幸せを想い合う。本映画は、かけがえのないソウルメイトの存在の尊さと人生の輝きを描く、切なくも心温まるヒューマンドラマである。
主演としてミソを演じるのは、ドラマ「梨泰院クラス」のキム・ダミ。表向きは明るく振る舞う一方、深く相手の幸せに思いを巡らせていく繊細なキャラクターを、高校時代から30代まで巧みに演じ分けている。
また両親の期待を感じ取り、判で押したような型通りの人生コースを歩みがちな親友・ハウンをチョン・ソニ、2人の関係に関わる男友達ジヌをピョン・ウソクが演じる。
ソウルメイトとは、人生を生きていく上で欠かせない、魂的に縁の深い人々
ソウルメイトとは、運命の転換につながるような出来事のきっかけになったり、人生の意味を教えられたりする"魂の縁が深い人"のこと。
大川隆法・幸福の科学総裁はソウルメイトについて「あなたの魂と同じころに創られ、あなたと関係のある魂」だとした上で、「時代が変わっても、たいていは、親しい仲間が、ある程度のグループになって、同じようなときに生まれ、家族や親戚になったり、仲のよい友達になったり、職場でいつも顔を合わせる同僚になったりする」(『生命の法』)としている。
それゆえソウルメイトは、相手の本当の願いや人生でやり遂げるべき事柄について、本人以上に深く理解している場合もある。
本作でも、世間体を気にし、イケメンに惹かれがちなハウンに対して、ソウルメイトたるミソが、生きるに値する人生へと導くべく、体を張って関わっていく。
魂の深い関わりが真正面から描かれていて、今世限りで終わらない縁の深さにまで視点が届いた本作は、"ソウルメイト"のタイトルに相応しい力作だ。
ソウルメイトとの出会いが、人生を意味深くする
ソウルメイトとの関係は今世限りに止まらない。死後も付き合いは続き、来世、来々世まで続いていく。
本作は、この無限に続く縁(えにし)という視点から、ソウルメイトの役割がしっかりと描かれていて驚かされる。
「人生の意味」といっても、この世の人生限りで考えるのと、死後も続く霊界での人生も含めて考えるのでは、全く結論が逆転することもあり得る。
本作では、ミソの後押しによってハウンが世間的には非難を浴びる行動に出るが、狭い人間関係を超えて、より広くより多くの人々のために、何かを与えようと決意して一歩踏み出し、一つの道を究めようと努力を重ねていく姿に、思わず拍手を送りたくなる。
ソウルメイトとの出会いが、人生を意味深くするという本作のメッセージは、とても重く大切だ。
宇宙的な広がりを持つソウルメイトのネットワーク
宇宙時代を迎え、ソウルメイトも実は宇宙的な広がりを持つものであることが徐々に明らかになりつつある。
大川隆法総裁は「古来、宗教的な世界では、『宇宙には、《宇宙樹》とでも言うべき大きな木がある。宇宙のなかに一本の生命の木、生命の大樹が生えている』という言い伝えがあります。(中略)それが何本もの大きな枝に分かれ、その枝がさらに分かれ、何度も分かれていって、いろいろなところに伸びている」(『勇気の法』)と述べる。
その上で、ソウルメイトとは、この"宇宙木"とも言われる根源的な生命の大樹から繰り返し枝分かれした、その枝先に芽生えた葉っぱとしての自分自身と魂の兄弟の近くに生えている小さな枝の葉っぱたちなのだと位置づけている。
本作には、こうした宇宙的ともいえる生命観が象徴的に描かれていて、作品全体に印象的な深みを与えている。
何の目的もなく、ただ孤独な個としてこの世界に投げ出されているという実存主義的、唯物論的人生観だけで生きていくことは、やはり耐えがたいことである。
ソウルメイトという神秘的な視点を提供する本作には、現代人が忘れかけている、どこまでも温かく優しさに満ちた、この世界の成り立ちについての真実が宿っている。
『ソウルメイト』
- 【公開日】
- 2024年2月23日
- 【スタッフ】
- 監督:ミン・ヨングン
- 【キャスト】
- 出演:キム・ダミ、チョン・ソニ、ピョン・ウソク
- 【配給等】
- 配給:クロックワークス
- 【その他】
- 原題:Soulmeiteu (소울메이트) |2023|韓国|124分
公式サイト https://klockworx-asia.com/soulmatejp/
【関連書籍】
【関連記事】
2024年1月25日付本欄 高度な寓話性と象徴性で、現代イスラム社会の悲愴と断絶を鋭く描く 映画『葬送のカーネーション』【高間智生氏寄稿】
https://the-liberty.com/article/21192/
2024年1月7日付本欄 脱北家族が試みた決死の逃避行にカメラが密着! 映画『ビヨンド・ユートピア 脱北』【高間智生氏寄稿】
https://the-liberty.com/article/21148/
2023年12月17日付本欄 凡事徹底─トイレ掃除員として、毎日を丁寧に、新鮮に生きる男の話 映画『PERFECT DAYS』【高間智生氏寄稿】
https://the-liberty.com/article/21097/
2023年11月12日付本欄 手塚治虫が全人類に打ち鳴らした警鐘と愛のメッセージが、いま蘇る! 映画『火の鳥 エデンの花』【高間智生氏寄稿】