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アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師

澁谷 司

(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。

若干古い数字だが、中国の公式データによれば、2021年末には全国に4602の銀行と20万以上の銀行支店が存在する(*1)。国有銀行を除くほぼ9割が地場の中小銀行に属す。

それらの銀行が貸し出している総額は今や天文学的で、ゴールドマン・サックスのレポートによると、2021年末の中国の総負債額は50.1兆米ドルにも及ぶ。中国は世界一の借金大国と言っても過言ではない。

中国の総負債は主に(a)政府負債、(b)住宅負債、(c)企業負債の3つで構成される。そして現在、政府負債は11.3兆米ドル(国家負債3.4兆米ドル、地方政府負債7.9兆米ドル)、国内居住者の負債総額は約30兆米ドル(うち80%以上が住宅ローン)、企業負債は約8.8兆米ドル(うち60%が不動産企業)になる。

金融システム崩壊を防ぐため、人民の預金200兆元を狙う習政権