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ユーロ圏を管轄する欧州中央銀行(ECB)は11月から、デジタル・ユーロ発行に向けた「準備段階」に入ります。
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これは文字通り、「検討」の段階を終えて、本格的な発行「準備」に入ったと見ていいでしょう。
ECBはこれまで、デジタル・ユーロの基本設計や流通のあり方について、技術的にどのような形があり得るのかなどを検討する「調査段階」にありました。しかし10月半ば、欧州理事会と欧州議会による法案審議の上、「準備段階」に入ることを決定。そこでは、発行に向けた社会側のルールづくりや、実際にシステム構築・運用をする民間企業の選定など、かなり踏み込んだ作業に入ります。
建前上、まだ正式決定には至っていません。その段階は早くて2028年ごろという観測もあります。ただそれは、EU議会・理事会での採択や法整備など、実務的な準備に時間がかかるというだけの側面もあります。ECBは「準備段階」移行時の公表文で、「デジタル・ユーロ発行のあり得べき将来の決定への道を開く」と述べるなど、すでに"腹が決まっている"ように見えます。
先進地域の中でECBは、中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)に向けた議論が最も先行していましたが、いよいよ「後戻りなし」の段階に、入りつつあります。
デジタル通貨の意味や仕組みの解説は、本誌23年8月号「デジタル円は怖いぞ!」特集の記事「そもそもデジタル円って何?」をお読みください。
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