英エコノミスト誌(ウェブ版)が、軍事的に台頭する中国に対し、日米同盟が基地問題で十分対処できていないことを指摘し、強い懸念を示している。記事はこのほど明らかになった内部告発サイト「ウィキリークス」が入手した米政府公電をもとに書かれたもの。

「外交公電によると、アメリカのカート・キャンベル国務次官補は、中国の軍備拡大に対処するには(沖縄に)新しい滑走路が必要だと語った。しかしこれは、公には議論することができない」

「別の公電でキャンベル氏は、北朝鮮と中国の潜在的な脅威のためにアメリカと日本はこの50年間で最も危険な防衛環境にあるが、その現実は公には語られていないと語った。おそらくこれは、沖縄県民に基地の重要性を理解させることができるとしても、日米両国が中国を刺激したくないからだ」

この記事は、米軍普天間基地移転問題で(嘉手納基地統合などの)代案を何ら検討しないことも、中国の軍事的台頭に沈黙し続けることも危険なことだと結んでいる。

確かに沖縄の米軍基地問題に関して、中国の軍拡にどう対処するかという議論は、日本政府サイドからはまったく表に出てこない。ただ、日米両国政府の担当者の間では「中国をどうするか」をメインテーマに議論されている。

ならば、日本の政治家は勇気を持って、中国の軍拡と米軍基地問題を直接結びつけて語り、国民を啓蒙してもらいたい。(織)

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【5月30日分ニュースクリップ一覧】
「中国の軍拡で日本は50年で最も危険な状態」 米公電で指摘
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