連邦地裁による判決を報じる7月4日付のFOXニュース。中央はトランプ政権時に国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ(John Ratcliffe)氏(画像はFOXニュースホームページよりキャプチャー)。

《ニュース》

バイデン政権がTwitterなどのソーシャルメディア企業を通して、特定の言論を弾圧してきた問題をめぐり、連邦地方裁判所が政権に対し、企業への介入を制限する命令を出しました。

《詳細》

この背景には、本誌7月号特集「トランプの真実」でも取り上げたように、バイデン政権が「フェイクニュース(誤情報)対策」と称し、政権にとって不都合な言論をSNS上で弾圧してきた問題があります(『ザ・リバティ』2023年7月号)。

昨年10月にイーロン・マスク氏がTwitter社(現X社)を買収し、複数のジャーナリストに内部資料の分析を依頼して以降、検閲の実態が徐々に明らかに。ハンター・バイデン氏の汚職疑惑や新型コロナウィルスをめぐる議論をはじめ、“望ましくない"投稿に対して、政権が企業に直接介入し、投稿削除やアカウント凍結などを行ってきたことが判明。米国民から強い批判の声が上がってきました。

そうした状況の中、米ルイジアナ州の連邦地裁は今月4日、バイデン政権がオンライン上のコンテンツを取り締まることを制限する、広範な仮差し止め命令を出しました。合衆国憲法修正第一条(the First Amendment)によって保障されている「言論の自由」を侵害したという、ルイジアナ・ミズーリ両州の司法長官による訴えを、一部認めた形です。

155ページにおよぶ判決文では、ホワイトハウス職員や連邦政府機関の関係者が、政治的見解や表現を抑圧する目的でソーシャルメディア企業に接触することが禁じられています。また判決文では、前報道官のジェン・サキ氏が2021年5月から、Facebook(現メタ)や他のソーシャルメディア企業に対し、公然と、コロナをめぐる“偽情報"を検閲するよう圧力をかけていたことも言及され、バイデン政権による言論弾圧の実態に、改めて注目が集まっています。

今回の連邦地裁による命令を受け、バイデン政権は判断を不服として控訴したとのことです。

《どう見るか》