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スウェーデン議会はこのほど、新たなエネルギー目標を採択し、新たな原発建設計画を進めている政府の方針に、"ゴーサイン"を出しました。

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これまでスウェーデンは、エネルギー目標として「100%再生可能エネルギー」を掲げていましたが、このたび、議会は「100%化石燃料フリー」という目標を承認しました。これは、新たな原発建設につながる動きです。

もともとスウェーデンは1980年に国民投票の結果、原発全廃を決定しています。しかし政府は今年1月、「すでに原発がある場所以外に、原子炉の建設を禁止する」などといった原子力関連の制限事項の撤廃を提案し、新たな原発の建設を目指す方針を示していました。

スヴァントソン財務相は、議会での新政策発表の声明の中で、「より多くの電力生産が必要であり、クリーンな電力が必要であり、安定したエネルギーシステムが必要です」と指摘。そして風力発電や太陽光発電は、国のエネルギー需要を満たすにはあまりにも「不安定」であり、「これが原子力発電の条件をつくり出している」とも述べました。

政府が方針を転換した背景には、2040年までに現在の約2倍の電力需要に対応しつつ、「2045年までに、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」という目標を達成する、ということがあるようです。

スウェーデンの電力の約98%はすでに、水力、原子力、風力によって発電されています。

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