© 2022「オレンジ・ランプ」製作委員会
2023年8月号記事
Pick Up Movie
編集部がオススメする「今こそ観たい」映像作品。
「オレンジ・ランプ」
2023年6月30日(金)公開
実話で描く、認知症から灯った「優しさ」と「笑顔」
- 【スタッフ】
- 監督:三原光尋 / 企画・脚本・プロデュース:山国秀幸
- 【原作】
- 山国秀幸「オレンジ・ランプ」(幻冬舎文庫)
- 【配給等】
- 配給:ギャガ
- 【公開日】
- 2023年6月30日(金)より 新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座 他全国ロードショー
© 2022「オレンジ・ランプ」製作委員会
【レビュー】
39歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断された只野晃一(和田正人)は、妻の真央(貫地谷しほり)と二人の娘を抱え、不安で押しつぶされそうになっていた。それまでの彼は、カーディーラーとして三期連続で表彰を受けるほどのトップセールスマンだった。しかし、ある日のこと、顧客との約束を忘れ、社長に叱責されてしまう。しかも、相手の名前や顔も思い出せない。そんなことが増えていったのだ。
いつも前向きで明るい真央は、晃一を支えようと認知症対策について調べ、「とにかく何でもやってみよう!」と励ます。けれども、家庭内でも物忘れが増えていくなかで、真央の優しさと心配が、晃一の惨めさに拍車をかけていく。とうとう家に帰れなくなる事態になって、晃一は泣き崩れてしまう。
しかし、ある出会いをきっかけに、晃一は意識が変わっていく。真央も、「自分にはできることがたくさんあるはずだ」と話す晃一の姿を見て、自分の"優しさ"を見つめ直す。そして二人は、認知症になっても"人生をあきらめなくていい"ことを理解していく……。
39歳で若年性アルツハイマー型認知症を発症するも、会社勤務と年間100回以上の講演活動を続ける丹野智文さん。その実話にもとづく、夫婦の9年間の軌跡を描いた作品。製作には、介護の世界をテーマに、人々に感動を伝え続けている映画『ケアニン』シリーズのスタッフが集結。世間が抱く認知症の「常識」を覆していく。
認知症を通じて相互理解と本当の「優しさ」が世の中に満ちていく様子や、深い苦悩から紡ぎ出される晃一の笑顔が、温かい共感を誘うだろう。
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ザ・リバティWeb シネマレビュー
「オレンジ・ランプ」
(星3.5。満点は5つ)