《ニュース》
ジョー・バイデン米大統領の息子ハンター氏の疑惑をめぐり、検察による捜査が大詰めを迎えると報じられる中、「どのような罪状」で起訴されるかに注目が集まっています。
《詳細》
本欄でも報じてきたように、共和党陣営が強く問題視してきたハンター氏の疑惑は、副大統領という父親の地位を利用した汚職です(オバマ政権時代)。
下院監視委員会の委員長を務めるジェームズ・コマー議員(共和党)は、特に中国政府との不適切な利害関係について意欲的に調査を行ってきました。同氏は財務記録の召喚・閲覧やバイデン一族と関わりのあった人々の協力などを通して、少なくともバイデン氏の親族12人が、外国の団体から資金を受け取っていたことが露見することになるだろうと語っています(4月23日付FOXニュース、マリア・バーティロモ氏の番組)。
外国勢力から資金を受け取ることで、バイデン氏が「アメリカの利益に反する決定を下した」のではないかというのが、ハンター氏の汚職疑惑における大きな争点です。
その一方で、ハンター氏が税務や銃登録手続きに違反した疑いに関して、連邦検察による捜査が長らく行われていると報じられてきました。税金申告を怠った疑いや脱税、薬物依存の状態で違法に銃器を購入していた疑いを持たれており、これらの疑惑に関して、既に昨年時点で告発するための十分な証拠があると報じられていました(ワシントン・ポスト紙など)。
新たな議会が1月に招集され下院で優勢となった共和党陣営が、ハンター氏の疑惑追及を強める中、税務や銃登録手続きに違反した疑いをめぐり、ハンター氏の訴追が近いと推測する報道が増えています。
米紙ワシントン・ポストは3日、バイデン氏の弁護士が前の週に、ワシントンの司法省本部で検察官と会談を行ったと報じました。その上で、弁護人が検察に依頼人の起訴を求めないよう、あるいは罪状の軽減を求めるよう働きかけるこの種の会合は、「捜査の終盤に行われるもの」だとし、検察側が近く訴追するか否か判断を下す見通しだと伝えています(電子版)。
バイデン一族による汚職の実態を明らかにしたい共和党陣営の狙いを踏まえると、脱税などに疑惑が収まってしまうことは不本意だと言えます。ワシントン・ポスト紙は前述の記事で、一連の流れを「バイデン一家による腐敗の証拠として描こうとした、共和党の4年間にわたる調査の集大成だ」としていますが、皮肉的に響きます。
《どう見るか》