2011年7月号記事

illustration : 服部新一郎

「なんでやる気が続かないんだろう」──。そう思いながら「やる気が出る方法」をいろいろ試している人は多いのでは。そこで発想を変えて、「やる気を失わない方法」はないか調べてみた。「やる気泥棒」に入られないように心をロックして、エネルギーに満ちたあなたになっていただきたい。

「東電からの節電の呼びかけで、うちの会社は照明を半分以下に減らしたうえ、なんと空調と換気まで半分以下に。うちわでパタパタ扇ぎながらでは、計算は合わないし会議でもいい案が出ません。やる気は限りなく低下しています」(首都圏在住・会社員)

節電もやりすぎると、電気を使うこと自体が何だか悪いことのような気がして、ついこんな本音を漏らしたくなる人も多いのでは。だが、こんな時期こそやる気を出して、毎日を充実させたいものだ。

最近、書店で「やる気の出る言葉」という類の本をよく目にする。多くの人が積極的な言葉に触れてモチベーションを上げたいのだろうし、確かに手っ取り早くて役に立つ。

ただ、やる気を出して仕事や勉強の目標を立ててみたものの、いざ始めてみると、何かのきっかけでやる気がシュンと消えてしまうことは誰しも経験があるだろう。ほんの一瞬の間にやる気がなくなるその不思議さは、まるで心のなかに小さな泥棒が入り込んで、自分のやる気をくすねて行ったかのようだ。

知らないうちに疲れがたまっていることが原因のこともあるが、体力面以外でも「せっかくやる気になったのに水を差された」「よく考えたら、やっぱり面倒くさいな」など、やる気がなくなる出来事は事欠かない。毎日を充実させていくには、やる気を起こすだけではなく、「やる気泥棒」に入られないように心に“ロック”をする工夫も大切ではないだろうか。

『仕事が「ツライ」と思ったら読む本』の著者で、「仕事や勉強のできるできないは、『能力』や『技術』だけではなく、実際はその人の『性格』によるところが大きい」と指摘する心屋仁之助氏に、詳しく聞いてみた。