《ニュース》

米連邦捜査局(FBI)が、一部の伝統的なカトリック教徒に対し「暴力的な過激主義者」であるとした上で、捜査を推奨する内部文書が流出し、スキャンダルとなっています。

《詳細》

FBIバージニア州・リッチモンド支部の1月レポートを内部告発者がリークしたことにより、内容が発覚しました。

リークされた文書によれば、「原理的・伝統的なカトリック教徒」は、ラテン民族への献身によって特徴づけられており、「反ユダヤ的、反移民的、そして反LGBTQ的な信条、および白人至上主義的なイデオロギーを持つことが頻繁に起きる」とのことです。

同文書は、「極右の白人によるナショナリスト運動」とカトリック教徒の動きが重なり合っていると指摘。現象を調査するため、さらなる捜査を推奨しています。

特定の宗教を弾圧すると読み取れるような内容を受け、共和党議員を中心に、FBI長官のクリストファー・レイ氏に情報開示を求める声が相次いでいます。共和党下院司法委員会委員長を務めるジム・ジョーダン氏は、「信教の自由」を保障した建国の父らが想像すらしなかったような事態だと強く批判し、繰り返し情報開示を要求しています。

FBI側は、流出したレポートは組織として求められる基準に達しておらず、除外されたと説明。加えて、「憲法修正条項第一条で保障された(信教の自由を含む)行為のみに基づき、(国民を)捜査するようなことは決してしない」と約束しました。

しかし、一連の釈明を単なる"火消し"と見る向きが強いと言えます。ウォール・ストリート・ジャーナル紙は社説で「数百万人ものアメリカ国民が、もはやこれを信じていない」とし、レイ長官を含むFBIの党派性、官僚組織の問題を指摘しました(15日付電子版)。

《どう見るか》