《ニュース》

東北地方で風力発電事業に対する自治体首長による反対表明や、それを受けた事業計画の撤回などが相次いでいます。

《詳細》

宮城県の色麻町、加美町にまたがる地帯で計画されている風力発電事業について、色麻町の早坂利悦町長は26日、反対する要望書を村井嘉浩・県知事に提出しました。

同事業は両町の境界部にある八森山に、最大190メートルの風車を15~20基設置するもの。これに対し色麻町議会は11日、計画に反対する住民団体の請願を採択しました。これを受けて早坂町長は、県にも足並みをそろえて反対するよう要望しました。

反対の理由として町長は、住民の理解を得られないことに加え、計画の中で町の地下水の水源地に影響を与える懸念があることなどを強調しました。

また同じく宮城県の大崎市と栗原市にまたがる「六角牧場」における風力事業については、両町の町長が反対を表明していたことなどを背景に、事業者が計画を見直すことを、16日に表明しています。計画は、最大200メートルの風車を17基設置するというものでした。

反対の理由としては、渡り鳥の飛行ルートに計画地が含まれることや、水源地の影響などさまざまな問題が挙げられていました。

さらに本誌・本欄でも取り上げてきた青森県の八甲田山系で風車を最大150基設置する「みちのく風力事業」について、すでに青森県知事をはじめ複数の首長が反対を表明していましたが、昨年12月に青森市議会が国に事業中止を求める意見書を全会一致で可決したほか、七戸町の小又勉町長も水源への影響などを理由に、明確に反対を表明。計画地が重なる自治体からの反対の声が増え続けています。

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