移民社会アメリカはマイノリティーのさまざまな社会問題を抱えている。その一つが少女売春で、米国では毎年10万から30万人と見られる少女が売春をしているという。25日付米紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンはカリフォルニア州オークランドにおける若年女性の売春問題をレポートしている。以下、抜粋紹介。

  • 「オークランドは少女売春の青空市場(an open-air sex market)になっている」。同地の弁護士はそう語る。同地に特に多いのが、米国生まれのカンボジア移民少女による売春だ。少女たちの保護プログラムを運営している女性は言う。「アジア人女性はエキゾチックな魅力があるとされているんです」。売春斡旋者たちは路上で移民少女をスカウトまたは誘拐し、彼女たちの写真を扇情的なコピーを添えてウェブサイト上にアップする。
  • 現在は保護プログラムを受けている22歳のカンボジア移民マキシは売春は免れたが、9歳の時から、兄が売春女性たち(10代の少女もいた)を住ませている家の見張りに立たされていた。「兄がやっているのは普通のことだと思ってました」(この場合、売春しているのもさせているのもカンボジア移民)。「私は両親が話すカンボジア語はあまりわからないし、女性として何が大事かを母が教えてくれたことは一度もありません。保護プログラムの人たちがいなかったら、私はきっと死んでいました」。
  • ペンシルバニア大学のエステス教授によれば、カンボジア移民のように母国で政治的暴力や民族虐殺を経験した人たちは行政機関にかかわること自体を怖がる傾向があり、困ったことがあっても行政に助けを求めようとしないという。オークランドで児童虐待や売春の経験女性を支援している開業医によれば、健康診断に来た親たちの頭痛や「うつ」状態の理由を聞いて初めて、娘の売春のことを気に病んでいることがわかることもある。

この問題の背景の一つに、移民たちが英語を自由に話せないことによる貧困問題や親子の断絶が関係していることがわかる。弊誌は、ここまで経済発展を遂げた日本は世界からもっと移民を受け入れるべきであると考えているが、そのための条件として日本語教育の制度を充実させる必要があることは間違いない。(司)

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