《ニュース》
中国の動画プラットフォーム「bilibili(ビリビリ)」は、ユーザーが中国の指導者や失脚した元政府高官、亡命した反体制派といった政治的に敏感なハンドルネームを使っていたことを問題視し、パソコンやスマートフォンで行う人気ミニゲーム「グースグースダック」のライブストリームのアンカー(責任者)に規制を課しました。16日付米ラジオ・フリー・アジアが報じています。
《詳細》
bilibiliは1月13日、公式サイト上に、同社のプラットフォームを使ってゲームをプレーしているライブストリームのホストに向け、次のような趣旨の告知を行いました。
「最近、『グースグースダック』で違法なハンドルネームが頻繁に使用されていますが、これはライブストリーミングの規制に違反しています。このゲームをライブストリーミングする際は、部屋番号を非表示にする必要があります(注:部屋番号を知らない人はゲームに参加できない)。また非表示になっていないライブ配信は、bilibiliの規定により切断されます」
有名なライブストリーマーが中国のユーザーに向けて「グースグースダック」のプレーを配信し始めたため、ネット上は年初から盛り上がっていました。ライブ配信のコメントには、「(ハンドルネーム)周永康と郭文貴、準備しろ! もうすぐ始めるぞ! 王丹、今すぐ準備しろ!」というものもあり、一部の視聴者を大いに楽しませました。
コメントにあった「周永康」とは、2015年に習近平国家主席を倒すクーデター未遂事件の先頭に立ったという話が出ている人物で、汚職で収監された中国最高指導部の元メンバーです。「郭文貴」はアメリカに亡命し中国共産党批判を行う富豪。「王丹」は天安門事件で弾圧された民主化運動の元学生リーダーで、アメリカに亡命した活動家です。
他のハンドルネームには、天安門事件の引き金となった胡耀邦元首相、収監中の元重慶市党委員会書記の薄熙来などのほか、「プロの殺し屋 毛沢東」などがありました。
ガイドラインに違反したり、法律を破ったりした影響力のあるストリーマーは、ゲームから永久に追放される可能性もあるといいます。
《どう見るか》