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東京都の小池百合子知事は4日の年頭あいさつで、少子化対策のために18歳以下の子供一人当たりに月5000円を給付する方針であることを明らかにしました。

《詳細》

子供一人当たり月5000円の給付は所得制限を設けない方向で、2023年度に給付開始を目指します。給付額については、家計における子供一人当たりの教育費の全国平均が約7000円であるのに対し、東京都が平均1万2000円であることから、差額から算出したとしています。

東京都内の18歳以下の人口は約200万人のため、月5000円の給付で年間1200億円がかかる見通しとなっています。都の一般会計予算の約1.5%に相当する見通しで、23年度予算案に関連費用を盛り込む方針です。恐るべき"愚行"と言うほかなく、都議会自民党は責任政党として、本当にこんな案を議会で通すつもりなのでしょうか。

小池知事は「子育ては将来への投資で、バラマキという批判は当たらない」と発言。「人口問題は、本来は国が戦略的に取り組むべき課題」と述べ「国の来年度予算案では、ただちに少子化から脱却して反転攻勢に出るぞという勢いになっていない」と批判しました。

一方、岸田文雄首相は同日、伊勢神宮での年頭会見に臨み、今年の優先課題として「異次元の少子化対策」を打ち出しています。6月に大枠を示す予定の「子ども予算倍増」の具体策として、児童手当の拡充など経済的支援の強化を挙げました。

松野官房長官は5日の会見で東京都の施策を受け、「政府としても児童手当の拡充について検討していく」と発言しています。政府が設置した「全世代型社会保障構築会議」が昨年12月に取りまとめた報告書では、児童手当の拡充について「恒久的な財源とあわせて検討する」とされていました。

東京都が「月5000円」の給付を打ち出したのには、政府の「子ども予算倍増」の具体化が6月以降と遅れる中、先手を打って実行力を見せつけたいという小池都知事の思惑が働いたことは明らかでしょう。

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