《ニュース》

中国のオンライン小売大手「SHEIN(シーイン)」の衣料品に中国の新疆ウイグル自治区で生産された綿が使われているという検査結果が出たと、米ブルームバーグ・ニュースが11月下旬に報じました。

《詳細》

ブルームバーグは、SHEINの米ウェブサイトで「綿」と表示された製品約6万点のうち一部について、独研究所アグロイソラブに分析を委託したといいます。

同研究所が、中国で事業展開する米アパレル企業からブルームバーグが入手したという新疆綿などと成分を比較したところ、SHEINが出荷したズボンやブラウスなどの製品は新疆綿のサンプルとほぼ一致したということです。

アメリカでは、中国の新疆ウイグル自治区が関係する製品の輸入を原則禁止する「ウイグル強制労働防止法」が6月から施行されており、小売り各社は新疆綿を調達していないことを証明しなければなりません。

これに対し、ブルームバーグは「米税関・国境警備局(CBP)は申告要件を800ドル(約11万3700円)以上としており、SHEINの顧客向け出荷は一般的にこの基準を下回り、小売業者の大量輸入に課せられる厳しい検査の対象にならない」と、同法の抜け穴を指摘しています。

米ウォール・ストリート・ジャーナル電子版(10月29日付)の報道によると、SHEINの今年の売上高は240億ドル(3兆5400億円)に達する見込み。創業からわずか10年ほどで、ファストファッション大手の「ZARA」や「H&M」などの売上高に肉薄しつつあります。

《どう見るか》