《ニュース》

米連邦上院で16日、「同性婚の権利」を保障する法案の採決に進むための動議が、賛成多数で可決されました。

民主党陣営としては、これから上院での最終的な採決で可決した後、下院の可決とバイデン大統領の署名を経て、上下両院を民主党が占めている年内中に法制化したい考えです。

《詳細》

今回の動議可決に関しては、上院の民主党系議員50人に加え、共和党からも12人が賛成したことで、可決に必要な60票を超えたとのことです。

この動きに対し、バイデン氏は「愛は(性別に関係なく)愛である。アメリカ人は、自らの愛する人と結婚できる権利を持つべきだ。本日の超党派による票はアメリカにとって、(同性婚の)権利を法律で守るための一歩だ」と歓迎。

「この法案を私のデスクまで早急に送るよう議会に求める。私は即座に署名する」とも語っていることから、上下両院で可決さえすれば、ほぼ確実に法制化される見込みです。

2015年に下された連邦最高裁の判決により、アメリカでは実質的に同性婚が合法化されていますが、民主党陣営は今後の最高裁の判決によって覆される可能性があると見ており、連邦法で同性婚の権利保障を進めてきました。

最高裁は今年6月、中絶を憲法上の権利だとする「ロー対ウェイド」判決を覆し、各州に判断を戻しました。この際、保守派のクラレンス・トーマス判事は判決文の中で、避妊や同性婚などの合法性を認めた過去の判例を見直すべきだと書き添えています。

こうした動きを受け民主党陣営は、中絶と同性婚の権利保障を党是として強調してきました。

ただ、これには中間選挙を睨んだ党派的な思惑も大いに絡んでいます。有権者の関心事であったインフレや犯罪増加などの問題から目を逸らせたいという狙いです。

7月には下院で、民主党が提出した同性婚の法的保護を加速させる法案が可決されましたが、中間選挙前に共和党議員らが投票した記録をつくることを目的とした非常に政局的な動きであると、保守派から批判の声が上がっています。

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