《本記事のポイント》

  • 出産育児一金増額や出産クーポン配布など、現政権は少子化対策を次々に発表
  • しかし一定数の胎児が毎年、人工妊娠中絶されている
  • バラマキではなく人生計画や魂修行など霊的人生観の流布が本当の少子化対策

妊娠4カ月(85日)以上の妊婦が出産した際に支給される出産育児一時金が、2023年4月より現行の42万円から47万円へ増額される。来年1月以降に誕生した新生児から、ベビー服や産前産後のケアなどに使える出産クーポン10万円を配布するという方針が出されている。

今年4月から不妊治療が保険適用となるなど、少子化対策として、政府はさまざまな手を打っている。しかし、金銭面での支援のみで、少子化は解消されるだろうか。

正確には把握できない中絶件数

あまり知られていないが、出産育児一時金は現行では、妊娠85日(4ヵ月)以後ならば、生産(早産)、死産(流産)、そして「経済的理由ではない」人工妊娠中絶にも適用される。

2020年度の中絶実施件数は14万1433件。統計上は減少を続けているが、同年の出生数は84万832人と、当時の統計史上最低を更新した。単純に考えれば、日本で生まれる予定だった子供の約7分の1が中絶されたことになる。また、統計外の中絶数も多くあるとされており、その件数は100万件以上とも言われている。

もちろん、犯罪などで望まない妊娠をした場合や母体が危機にある場合など、やむを得ない事態もあるだろう。その他、多い理由としては「経済的な余裕がない」のほか、「仕事・学業を中断したくない」「これ以上子供は欲しくない」などが並ぶ。

しかし、霊的真実から考えても、安易な人工妊娠中絶は問題が大きい。大川総裁は霊査により、妊娠に気がつくあたりの妊娠9週目に魂が胎児の肉体に宿ると指摘。魂は天上界では大人の意識を持ち、今回の人生の計画を立て、両親と約束して生まれてくる。中絶は、その魂の修行を否定し、人生計画に大きな狂いを生じさせる行為だ。さらに、あの世からこの世への生まれ変わりを阻害し、霊界の混乱を引き起こす。

母体は尊重されるが、胎児の人権は尊重されない

6月には、アメリカの連邦最高裁判所が「人工妊娠中絶を憲法上の権利」と認めた1973年の判決を覆す判断を下した。その後、中絶禁止や厳しい制限を行う州が増えており、11月の中間選挙の争点の一つとなっている。「胎児の命」を尊重する中絶反対派と、中絶容認派が激突している。

大川隆法・幸福の科学総裁は7月7日の法話「甘い人生観の打破」で、アメリカの中絶容認派の意見について「女性の体を自分の自由にさせること」を「人権を護ること」と考えるならばそうした考えも成り立つ部分もあるとしつつ、「一方、胎児のほうの側にも人権があるのだということを、全く考えていないことも、そこで見て取れる」と指摘。中絶容認への警鐘を鳴らした。

出産一時金の増額やクーポンなどは、小手先のバラマキに過ぎず、本来の少子化対策とは言えない。人は皆、魂こそが本質で、それぞれ親子の約束をし、人生計画を立て、修行のために生まれてくる──。この霊的真実を知れば、中絶という選択は違ったものになることも多いはずだ。本当の少子化対策とは、このような霊的人生観を広く伝え、常識とすることではないだろうか。

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