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観光需要の喚起のため、旅行代金の4割が割り引かれるなどの支援を行う政府の「全国旅行支援」が先週から始まりましたが、さまざまな不満の声が上がっています。
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その一つが、「便乗値上げ」を疑う声です。支援が始まり予約が殺到する中、宿泊料金が高騰。多くの宿泊施設は需要と供給のバランスに応じて価格が変動するシステムをとっていますが、「全国旅行支援を前提に、割り引き分を上乗せして値上げしているのではないか」などの声も上がっています。
政府は「人手の確保などで値上げが必要な場合もあり、必ずしも全てが不適切と言えない」とし、現時点で便乗値上げの報告は受けていないとしつつ、不当に価格を上げる行為がないよう、事業者に周知していくとしています。
自治体によっては、便乗値上げを防ぐ対策をとっており、山梨県は「不適切な宿泊プランの設定が悪質と認められた場合、参加の取り消しを検討する」と周知。埼玉県は事業者が参加を申し込む段階で、便乗値上げをしないなど禁止事項を盛り込んだ同意書への記入を求めているといいます。
この全国旅行支援は、これまで行われてきた「県民割」とは別事業ですが、財源は県民割の残りも割り当てられることになっているため、県によっては既に予算枠の上限に近付いています。岩手県では、既に予算の上限に達した施設が続出しており、消費者が「割引が使えないなら他の地域に行く」と取り消しする事例も続出。県は追加の予算編成を求めています。
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