岩に刻まれた古代文字のようなものが、日本全国で発見されている。写真は北九州市の淡島神社のペトログリフ

《ニュース》

「国内最古の文字」ではないかと言われていた墨跡のようなものが、油性ペンのインクだったことが分かり、話題になっています。

《詳細》

島根県松江市の田和山遺跡で発見された弥生時代中期(紀元前後)ごろの石製品に、漢字が墨で書かれている可能性があることを、2020年に研究者が発表しました。

石製品は墨をすりつぶした痕跡から硯(すずり)ではないかと推測されており、裏の中央部分に黒い線のようなものが確認されていました。その線を分析し、「紀元前後ごろの隷書体で書かれた『子』『戌』などの文字ではないか」とする見方もありました。

研究者らは「これが文字であれば、国内で書かれた最古の文字」としており、注目を集めていました。

ところがこのほど詳細に分析した結果が発表され、線の物質・成分が国内大手メーカーの油性ペンのインクと一致することが判明。ペンは遺物の整理作業などでよく使われる製品だったことから、「濡れた石を文字の書かれた紙の上に置いた際に、インクがうつった可能性がある」とされています。

関係者からは「半分は『最古の文字』に期待する気持ちもあったので、残念に思っている」との声も上がっています(NHK NEWS WEB)。

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