《ニュース》
中国軍が4日、台湾周辺で実弾射撃を伴う大規模な軍事演習を開始しました。
台湾国防部によると、中国軍は台湾北方、東方、南方に向けて弾道ミサイル「東風」11発を発射したといいます。日本の排他的経済水域(EEZ)内にミサイル5発が落下したため、日本政府は中国側に抗議し、軍事演習の即刻停止を求めました。
《詳細》
中国軍が4日から始めた軍事演習は、ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問に対抗する動きの一環で、台湾全体を取り囲むような演習区域が組まれています。
岸信夫防衛相は4日夜、発射されたことを認識している弾道ミサイル9発のうち、5発がEEZ内に落下したとした上で、「我が国の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題で、強く非難する。中国のミサイルが日本のEEZ内に落下したのは初めてと認識している」と指摘しました。
最も日本の近くに落ちたミサイルは、与那国島の北北西約80キロの海域でした。中国南部の福建省から発射されたミサイルのうち4発は台湾上空を通過したと見られています。
加えて、中国軍機27機が中国と台湾の事実上の停戦ラインとなっている台湾海峡の中間線付近を超えて台湾の防空識別圏に侵入。これまでの演習では中国軍が台湾海峡の中間線を超えることはありませんでした。
また、カンボジアで予定されていた林芳正外相と王毅国務委員兼外相との会談は、中国側の意向で中止になりました。日本など主要7カ国が中国を非難したことが影響したということです。
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