2022年7月号記事

Interview

元米国家情報長官室幹部が語る
中国との熾烈な戦い

トランプ米政権内で情報機関を統括したラトクリフ国家情報長官の右腕として働いた元政府高官が、中国の脅威を語った。

(取材協力:西幡 哲)

元米政府高官

ダスティン・カーマック

トランプ政権下の国家情報長官室でジョン・ラトクリフ長官の首席補佐官を務める。それ以前は、ラトクリフ下院議員、ロン・デサントス下院議員(現・フロリダ州知事)の首席補佐官として下院に勤務。現在はヘリテージ財団特別研究員。

──あなたの元上司であるラトクリフ元国家情報長官(DNI)は、今や中国が最大の脅威だと指摘し、中国に関する情報コミュニティーの予算を20%増やしました。

カーマック氏(以下、カ): ラトクリフ元長官は時間を費やして「中国の脅威」を語りました。ロシアについても言及していましたが、ロシアの経済規模はテキサス州より小さいのです。

一方で、中国の脅威は多岐に渡り、経済的、技術的に全てのカードを持っています。世界中のサプライチェーンが中国経済および中国政府に大きく影響され得る状況にあり、軍事技術的にも、宇宙空間や対衛星技術、サイバースペースをはじめ、中国は既にさまざまな手段を開発しています。連邦捜査局(FBI)長官なども、中国が投資や使える人員、能力においていかにアメリカに引けを取らないかについて語っています。

中国に関して難しいのは、(政策決定者など)多くの人々が、中国の脅威について口先で同意するだけで、何も行動を起こさないことです。アメリカの対中政策および中国の脅威に対する投資は依然として不十分です。