2022年7月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第113回

釈党首

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/

バラマキ支えるケインズ政策を終わらせる
「減量の経済学」

来たる参院選に向け、既存政党は与党も野党も、こぞってバラマキ政策を訴えています。日本政府の借金は1240兆円を超える異常事態です。にもかかわらず、その先にある国家破綻の危機に、本気で向き合っている政党は見当たりません。

世界最大級の借金を積み上げてきた日本が、世界最低レベルの成長しかしてこなかったことを考えても、この国の経済政策は根本的に間違っていたと見るべきです。

経済学に「魂修行」の観点を

減量の経済学.jpg
『減量の経済学』
大川隆法著
幸福の科学出版

大川隆法・幸福実現党総裁は、マルクス経済学に加え、各国の経済政策を理論的に支えてきたケインズ経済学に致命的な誤りがあることを指摘されると共に、『減量の経済学』をはじめ、新文明を拓く経済の道を説かれています。

バラマキや公共投資をすれば好況になる──。ケインズ経済学にもとづく政策に欠けているのは、「人間にとって経済とは何か」という根源的な問いです。

大川総裁は「経済は、心に奉仕すべきもの」であると説かれています(*1)。人間はこの世に、心(魂)を磨くために生まれてきた。そこで努力し、多くの人の役に立つ仕事をすれば、感謝の表れとして豊かさ(収入)が得られる。そしてその時、人間は神仏と同じ「創造の喜び」を味わうことができる。また、富の源泉は「真・善・美」など神仏の心にある。これが私たちの経済観です。

(*1)大川隆法著『仏陀再誕』(幸福の科学出版)

政府の"減量"と勤勉革命

幸福実現党は、大川総裁が説く新時代の経済学から、あるべき経済政策を打ち出しています。

参院選に向けて訴えているのは、政府の"減量"です。やらなくてよい仕事はするな──例えば給付金・補助金の大盤振る舞いは止める。デジタル庁、こども家庭庁、脱炭素のグリーン投資なども、よく考えれば不要ではないか(*2)。こう訴えています。

つまり"減量"とは、際限のない支出を止め、「小さな政府」へ転換することです。さらには、厳しい言い方かもしれませんが、生き方の立て直しでもあります。

バラマキは、人々から働く意欲を奪います。無駄な省庁や無駄な規制・指導は、民間企業の邪魔をします。これは「魂修行を阻害する」という観点から、まず問題なのです。

それのみならず、人々から意欲を奪うことで、結果として経済も停滞します。現に日本では、「経済政策」と称して政府支出が増えるほど経済成長は低迷し、反比例するように人々の賃金が下がっているのです(下図)。この、人々の「心」にある意欲・インセンティブ(動機)の変化というのが、唯物的な経済学の盲点です。

さらに私たちは「減量」の裏表の政策として、「勤勉革命」というものを掲げています。

神を信じ、神に近づいていこうと勤勉に努力する国民がいなければ、国が豊かになるはずはありません。「自助論」がイギリスの繁栄をもたらしたことは有名です。日本でも江戸時代、農業書に「働きなさい。必ず報われる」と書かれた時期に、人々の生産性と生活水準が上がった、という研究もあります。

この自助論の啓蒙を、私たちは経済政策の柱に位置付けます。

(*2)本誌2022年6月号特集「なぜ幸福実現党だけが日本を救えるのか?」参照。

この国の経済に精神的主柱を

岸田文雄首相は「新しい資本主義」という言葉を掲げています。しかし資本主義というのは、岸田氏が目指すような分配システムではもちろんありません。また、単なる利潤追求によって動く社会システムのことでもありません。大川総裁は、資本主義の本質はエートス、即ち持続する精神であると述べています。

働いて人の役に立つのが喜びだ──こう考える日本人が増えてこそ、この国は真の資本主義国として繁栄し、政府財政も健全なものになっていくのです。

そのための「減量」と「勤勉革命」は、「成長ありきの冷たい切り捨て」では断じてありません。

むしろ、「人々を家畜のように金で釣り、堕落させ、立ち上がれなくさせる」ことこそ冷酷な政治です。自助努力の精神を身に付けた子供たちは、どんな環境にあっても道を開き、夢を実現することができるようになります。私たちは人間の可能性を信じ、開花させようとする政治こそ、愛であると信じているのです。

幸福実現党はこの国の経済に精神的主柱を立てるべく、全力で戦ってまいります。

19541_01

景気回復を狙って政府支出を増やしてきたが、結果として国民の賃金は下がり続けてきた。既存の経済学の限界が現れているといえる。

(IMFの「World Economic Outlook Databases」及び厚生労働省の毎月勤労統計より作成)