2020年10月に「地獄からのラップトップ」をスクープ報道していたニューヨーク・ポスト紙が、ハンター疑惑の続報として、トランプ前大統領の"逆襲"発言を報じている。ジョージア州での演説集会で、トランプ前大統領は、「フェイクニュース」の代表である宿敵ニューヨーク・タイムズ紙(以下、NYT紙)に非難を浴びせた。また、Eメールを証拠とするウクライナ疑惑の再燃を受けて、「ウクライナのいかなる問題についても関与を避けるべきだ」と、バイデン大統領を追及した。3月下旬には、クリントン陣営と民主党が企んだ"ロシア疑惑"という謀略により誹謗中傷されたとして、裁判を起こしている。秋の中間選挙を控えて、トランプ前大統領は反転攻勢を強めている。
(幸福の科学国際政治局長 藤井幹久)
ドナルド・トランプは語る ハンター・バイデンのラップトップが本物だったことを、ニューヨーク・タイムズ紙が「ついに認めた」(ニューヨーク・ポスト紙記事)
ハンター・バイデンのラップトップが本物だったと、NYT紙が「ついに認めた」ことを受けて(関連記事: ハンター・バイデン疑惑をニューヨーク・タイムズ紙の記事がついに認める)、ドナルド・トランプ前大統領は、3月26日の集会でNYT紙を非難した。NYT紙は、ハンターの税務申告をめぐる連邦当局の捜査についての記事のなかで、ラップトップが本物であることや、ウクライナのビジネス相手とのEメールが事実であることを認めていた。(そうした事実は)2020年10月に、ニューヨーク・ポスト紙が独占スクープしていた。
トランプは、アトランタ郊外コマースで大勢の支持者を前に語った。「ちょうど先週に、ダメなNYT紙がハンター・バイデンのラップトップが本物だと、ようやく認めた。そんなものはロシアの仕業だと、彼らが言っていたのを覚えているか?」「いま、プーチンは大きな問題を抱えている。しかし、私たちのことについては、おかしなやつらだと思っていたはずだ」
「選挙が終わってから、そして次の選挙までには、かなり間があるとき」まで、NYT紙が報道することを控えていたとして、第45代(トランプ)大統領は同紙に非難を浴びせた。「とても悪いことだ。とても悪いことで、おそらくは不法行為になることだ」
バイデンのウクライナ疑惑を糾弾
また、ジョー・バイデン大統領については「ウクライナのいかなる問題についても関与を避けるべきだ」と述べた。そして、(ラップトップ)報道を否定していた人たちを調査するべきだと、共和党員に訴えかけた。「共和党にその機会が訪れたならば、メディアと……巨大テック企業と、情報機関の高官たちが行った、とてつもない選挙干渉について、直ちに調査をするべきだ。そうした人たちは、(ハンター疑惑を)ロシアの偽情報工作だと主張していた」
ニューヨーク・ポスト紙は、2019年4月にデラウェア州のPC修理店に捨てられていたラップトップをめぐる当初の記事のなかで、ハードディスクのなかに、ハンター・バイデンが家族や仕事仲間たちとやり取りしたEメール、テキストメッセージ、写真、財務書類が残されていたことを報じていた。そうした記録のなかには、ウクライナのエネルギー企業であるブリスマ社の最高幹部とのEメールも含まれていた。ハンターは、ブリスマ社から月額5万ドルにのぼる報酬を受け取っていたとのことだ。
Eメールによると、2015年にハンター・バイデンはブリスマ社幹部に、当時の副大統領だった父親を紹介していた。それから1年も経たないうちに、バイデン副大統領は、ブリスマ社の捜査を行っていた検事総長を解任するように、ウクライナ政府高官に圧力をかけていた。
ニューヨーク・ポスト紙が確認したEメールによると、ハンター・バイデンは、ウクライナで致死性のある病気や生物兵器を研究する、カリフォルニア州の防衛関連企業を支援していた。ロシア政府は、2月のウクライナ侵攻を正当化する理由として、ウクライナにアメリカの生物兵器研究所があると主張している。さらに3月24日には、生物兵器の製造は、バイデン家からの要請によるものだと非難している。(関連記事: ウクライナの生物兵器研究所に ハンター・バイデンが関与した証拠が明らかに)
クリントン陣営と民主党を裁判で訴える
3月下旬に、トランプは2400万ドルの連邦訴訟を起こした。ヒラリー・クリントンと民主党全国委員会が、ロシア疑惑をめぐって、自らと陣営を誹謗中傷したとの訴えだ。これまでトランプは、2016年大統領選にロシアが介入したとする疑惑への自らの関与をめぐり、クリントン陣営と民主党が陰謀を企んできたと非難していた。しかし、この問題をもとにして、トランプ大統領を弾劾する試みは、失敗に終わっていた。
2020年8月に共和党主導の上院情報特別委員会が発表した報告書では、かなりの部分が編集(検閲)されていたが、ロシアが2016年選挙の正当性を覆そうと企んでいたとの結論が出されていた。「アメリカの国家安全保障にとって、近年では最大級の防諜上の脅威」となる試みだったと記されていた。
(ニューヨーク・ポスト紙3月27日に掲載)
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2022年4月14日付本欄 "ディープ・ステート"の手先として嘘をついていたCIAのスパイたち
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2022年4月17日付本欄 ウクライナの生物兵器研究所に ハンター・バイデンが関与した証拠が明らかに