2020年アメリカ大統領選の終盤で、ニューヨーク・ポスト紙は、バイデン大統領(当時、大統領候補)の息子、ハンター・バイデン氏の「地獄からのラップトップ」をスクープ報道していたが、米主要メディアを代表するニューヨーク・タイムズ紙(以下、NYT紙)が、記事でついにその情報が事実であることを認めた。
バイデン候補の息子ハンター氏の疑惑を報じた記事は、当時、大統領選の行方を揺るがす「オクトーバー・サプライズ」となった。しかし、その直後からツイッター、フェイスブックなどSNS各社が拡散制限をしたことで、大きな波紋が生じていた。
本欄では、メディア界の歴史に記録される重大事件であると考えて、2本のスクープ記事につき、日本人読者のためにニューヨーク・ポスト社からライセンスを取得して、日本語記事として紹介した(文末の【関連記事】参照)。
ハンター疑惑のスクープ報道については、これまで主要メディアが情報の信憑性に疑問を呈してきた経緯があったが、今回、NYT紙が事実として認めたことは画期的なことだ。事実上、ニューヨーク・ポスト紙の報道が真実であったことが証明されたといえるだろう。
(幸福の科学国際政治局長 藤井幹久)
ハンター・バイデンの破廉恥なラップトップをNYT紙の記事が認める
NYT紙は現地時間の3月16日水曜日夜の記事で、現在進行中のハンター氏の税務申告をめぐる連邦当局による調査について包括的に報じたが、その中でハンター氏の破廉恥なラップトップが本物であることを認めた。
2020年10月にニューヨーク・ポスト紙は、2019年4月にデラウェア州のPC修理店に捨て置かれていたハンター氏のラップトップに残されていた記録を入手して、スクープ報道していた。
そのハードディスクには、ハンター氏がビジネス・パートナーや家族との間でやり取りしていた大量のEメール、テキストメッセージ、写真、財務書類の記録が存在していた。記録の内容からは、バイデン大統領の息子が海外での経済取引において、いかなる政治的影響力を行使していたかの詳細が明らかとなっていた。PC修理店の店主からの通報を受けて、ラップトップとハードディスクはFBIに押収されていた。
ウクライナ関連のEメール記録が捜査対象
NYT紙によると、ハンター氏に関する捜査の一環として、連邦当局はラップトップから発見されたビジネス・パートナーとのEメール記録を調査している。
その調査の対象には、ハンター氏とデボン・アーチャー氏との通信記録が含まれている。アーチャー氏はハンター氏と共に、ウクライナのエネルギー企業ブリスマ社の役員を務めていた。ニューヨーク・ポスト紙が既報しているが、アーチャー氏は、本年2月に別件の詐欺事件で有罪判決を受けて、ハンター氏の捜査に関しては、現在、連邦当局に「全面的に協力」している。
NYT紙の記事によると、ハンター氏がアーチャー氏や他の人物と交わしていた海外ビジネス関連のEメール記録については、同紙が入手していた「(ハンター・)バイデン氏がデラウェア州のPC修理店に廃棄していたラップトップから発見されたとみられる」ファイルに存在していた。この捜査の事情に詳しい人物は、こうした内容が本物であるとNYT紙に認めている。
バイデン疑惑に波及するのか
NYT紙の記事では、ラップトップが本物であることを認めたほかに、100万ドルを超える納税義務が、どのように支払われたかも明らかにしている。ハンター氏が脱税容疑で捜査を受けていることを公表してからは、すでに1年が経過している。
ハンター氏が脱税事案で捜査を受けていたのは、父親が副大統領に在任していた頃からのことだった。しかし、2018年に捜査対象は広がり、ハンター氏の海外ビジネスと、バイデン(大統領)の政治的立場との関係が調査されていた。
(ニューヨーク・ポスト紙2022年3月17日に掲載)
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