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ロシアのウクライナ侵攻で、アメリカの核兵器を日本領土内に配備して共同運用する「核シェアリング」を求める動きが強まってきました。一方で、核廃絶を訴える団体や専門家が反発しています。

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ウクライナ侵攻でプーチン露大統領が「核大国」という言葉を使用したことで、核攻撃への危機感が高まりました。そこで抑止力強化の一つとして安倍晋三元首相は2月末、「核シェアリング」について議論すべきだと提起しました。

岸田文雄首相は10日の参院予算委員会で、非核三原則や原子力の平和利用を理由に「政府として議論することは考えていない」と述べたものの、自民党の国会議員を中心に「核シェアリング」についての発言が多く出ています。

一方で、核廃絶を訴える団体や専門家らから反対の意見が上がっています。核廃絶を主張する若者らが9日、「核共有より核禁止!」と題した緊急記者会見を開きました。出席者からは「軍事的にもナンセンス。核禁止に進む方が現実的」「広島、長崎の被爆体験を思い起こす必要がある」などと指摘する発言が相次ぎました。

また、国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」の川崎哲・国際運営委員は、「核兵器保有で紛争が起きないとする抑止論は誤りだとウクライナ危機で明らかになった。日本の核共有論は政治的に悪影響しかない」と強調しました。

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