《ニュース》

トランスジェンダーの子供をめぐり、米中西部の学区が2月下旬に開催した教職員研修で、「親には子供の性自認を知る権利はない」と研修参加者に念を押す内容のパワーポイントが使われていたことが判明し、問題視されています。

保守系情報サイト「エンパワー・ウィスコンシン」がパワーポイントのデータを入手し、複数のメディアがそれを報道しました。

《詳細》

教職員への研修を行ったのは、米中西部・ウィスコンシン州のオークレア・エリア学区。教職員研修で使われたパワーポイントのスライドには、以下のように記載されていたとのことです。

「両親には子供のアイデンティティを知る権利がないのだということを忘れないでください。(教職員は)この知識を獲得しておかねばなりません」

「この(子供の性自認をめぐる)複雑な状況について、教職員が(両親と生徒の)両側に足を置いている場合がよくあります。オークレア・エリア学区において、我々の優先順位は生徒を支援することです」

保護者を学校教育から排除するような一方的な研修内容に対し、保護者からは「学校側と保護者の関係は生徒の成長を促す上で重要なはず」「学区は教職員に対して子供たちの情報を親から隠蔽するよう指示し、教職員を困難な立場に追いやっている」などと、批判の声が上がっています。

同じくウィスコンシン州内のマディソン・メトロポリタン学区は2018年、「いかなる年齢の生徒も、保護者の同意なしに、学校内で異なる性自認に移行できる」とする学区方針を出し、訴訟問題にまで発展しています(2020年には地方裁判所から、学区方針に対する「一部差し止め命令」が下り、現在はウィスコンシン州最高裁判所に上申中)。

トランスジェンダーをめぐる学区方針については、学区および学校側の認識の甘さによって強姦事件まで起きており、アメリカで広く問題視されています。

昨年5月には、米バージニア州ラウドン郡の高校で、スカートを履いた男子学生がトランスジェンダーを積極的に容認する学校の方針を利用して女子トイレに入り、その場で女子学生に性的暴行を行う事件が発生しました。

さらには、学校側および教育長を含む郡の教育委員会が当初、事件が起きたという保護者の主張を頑なに認めず、男子学生が別の犯行による強姦罪で逮捕されるまで認識を変えなかったということも、トランスジェンダーに関する学区側の方針が安易で無責任なものであると批判を呼んでいます。

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