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「中国が台湾などに対して"ジャブ"を打ってくる可能性が高い」と指摘される中、来年5月に大統領選を控えるフィリピンに対し、中国が牽制を強めています。

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フィリピンのテオドロ・ロクシン外相は18日、南シナ海上で同国の輸送船2隻が中国海警局の船によって航行を妨害されたと発表し、中国政府の行為は「違法」であると強く非難。在フィリピン中国大使館に抗議したことを明らかにしました。

フィリピン政府によると、スプラトリー(南沙)諸島のアユンギン礁に常駐するフィリピン軍のため、自国軍が雇った民間の輸送船2隻が16日に物資を運んでいたところ、中国海警当局の船3隻から進路妨害を受けた上、放水されたとのことです。

フィリピン政府の非難に対し、中国外務省の趙立堅(ちょう・りつけん)報道官は18日の記者会見で、「(フィリピン船が)中国の同意を得ずに中国の『南沙諸島』海域に勝手に侵入したため」だとし、「中国海警局の船は法に基づいて、主権と海洋秩序を守るため公務を執行した」と主張しました。

中国は独自に引いた境界線「九段線」に基づき、スプラトリー諸島やパラセル(西沙)諸島の周辺海域の領有権を主張しており、国際社会から「法的根拠がない」「不法」と批判を受けています。

両国の衝突を受け米国務省は19日に発表した声明で次のように述べました。

「地域の平和と安定に対する直接的な脅威が強まる中、アメリカは同盟国フィリピンとともにある」「中国政府はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内でのフィリピンの合法的な航行に干渉すべきではない。アメリカはルールに基づく国際海洋秩序を守る立場にあり、南シナ海でフィリピンの公船に対する武力攻撃が行われた場合、1951年の米比相互防衛条約第4条に基づき、アメリカの相互防衛義務が生じることを再確認している」

スプラトリー諸島周辺では3月にも、200隻以上の中国船が停泊していることが確認され、フィリピン政府が抗議しました。

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