「成功しない理由」がたくさんあっても、大きな仕事を成し遂げた成功者は数多くいる。彼らはいかに「習慣」の力を使ったのだろうか(2015年3月号 記事より再掲)。

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多忙な弁護士実務と執筆を両立させ、国民的作家となった

ウォルター・スコット(1771~1832)

ウォルター・スコットは、ロビン・フッドが活躍する小説『アイヴァンホー』などを世に送り出した小説家、詩人として名高いが、本業は弁護士だった。

若いころは父の弁護士事務所で雑用に追われ、時には書物を買い求めるために深夜まで残業することも。勉強と執筆ができるのは、深夜に帰宅してからのわずかな時間だけだった。

だが、こうした多忙な日々が、スコットの精神態度を育んだ。彼は、「若いころに退屈な事務所勤めを続けたおかげで、勤勉に働く習慣がついた」と述懐している。弁護士になってからは、毎朝決まった時間に起きて3時間を執筆に当て、多数の文学作品を世に送り出した。

作家として名声を得てからも、弁護士は辞めず、作家の仕事と両立させた。忙しいからこそ、わずかな時間を生かし切る必要に迫られる。もし彼に、執筆のみに専念できる環境が与えられていたら、「国民的作家」とは呼ばれなかったかもしれない。

勤勉に働くことの中に幸福を見出し、自らの人生で『幸福論』を実証した

カール・ヒルティ(1833~1909)

『幸福論』『眠られぬ夜のために』など数々の宗教的啓発書の著者として知られるカール・ヒルティ。彼は、政治家、法律家、学者、歴史家など数多くの顔を持ち、国際仲裁裁判所の初代スイス代表も務めた実務家でもあった。

複数の仕事を両立させる秘密は、彼の「習慣力」にあった。毎日5時に起床し、7時に講義をして、夜は10時に寝るという規則正しい生活の中で、勉強と執筆の時間を確保。人々を勇気づける数々の作品として結晶化した。

ヒルティは「時間を作る最もよい方法は、毎日一定の時間に規則正しく働くことだ」「最初から大きな目標を掲げるのではなく、小さな習慣を毎日重ねていくことが大事」という言葉を残し、勤勉が幸福につながることを説いた。それはまさに、ヒルティの生涯そのものと言えよう。

貧しい環境に生まれ、働きながら刻苦勉励して道を拓いた

本多静六(1866~1952)、二宮尊徳(1787~1856)

本多静六と二宮尊徳は、共に貧しい家庭環境の中、働きながら学問で身を立てた。

本多静六は幼少時に父を亡くし、多額の借金を抱えた。普通なら学問の道をあきらめてしまうだろう。だが、静六は藩塾の塾長のもとに書生として住み込み、農作業をしながら勉強に打ち込む。その後、東大を首席卒業してドイツにも留学し、日本初の林学博士となった。

「1日1頁原稿を書く」習慣で370冊もの著作を生み出すと共に、「四分の一天引き法」の習慣で、わずかな給料を貯蓄して利殖し、大金持ちとなる。時間やお金の不足を嘆かず、わずかなものを習慣で積み上げることで、大を為したのだ。

二宮尊徳も早くに両親を亡くし、叔父に育てられた。日中は忙しく働き、寝る間も惜しんで勉強したが、叔父に「勉強するヒマがあるなら働け」「行灯の油代がもったいない」と言われたため、薪を背負って歩く時間も読書に充てた。まさに、究極の「細切れ時間活用法」だ。

小さなことでもコツコツ積み上げれば大を為す。この「積小為大」は、生涯を貫く智慧となる。学問を修めた尊徳は生家を再興させると共に、さまざまな藩の農政改革や、600以上の農村の復興を成し遂げた。

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