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突発的に声を出したり首を振ったりする「チック症(トゥレット症候群)」で病院を訪れる10代少女が世界中で激増し、その多くが動画投稿アプリ「TikTok」で共通する動画を見ていたことが分かりました。20日付米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じるなど、話題になっています。

《詳細》

トゥレット症候群は神経精神疾患の一つ。その多くは小学校入学前の小児期に発症し、成長するにつれて改善するケースが多いといいます。不自然な瞬き、首振り、絶叫、汚言(不適切な言葉を叫ぶ)といった症状が突発的に生じ、他にも直立二足歩行がきちんとできなくなるといった症状も見られます。

「不安や鬱、ストレスと密接な関係がある」「家系遺伝するように見える」などさまざまな研究が行われていますが、原因は完全には解明されていません。

WSJの記事によると、コロナパンデミックが始まって以降、このチック症を患う10代少女が世界的に激増したといいます。そこでアメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスの専門医たちが共同で調査・協議した結果、彼女たちに共通点があることが浮かび上がってきました。

それが、動画投稿アプリ「TikTok」において、同症候群であると自ら話すインフルエンサーの動画を見ていたということです。

アメリカのある医療センターにおいては、やってきた多くの患者が、英語を話さない者も含め、イギリス英語訛りで「ビーンズ」という言葉を発していることを確認。不思議に思った研究者が調べたところ、同症候群を患うあるイギリス人インフルエンサーが、「ビーンズ」という言葉をよく発していることを発見したといいます。

チック症はこれまでにも、集団的に発生した事例があるとされていますが、地域的な現象に限られていたといいます。専門家は、ソーシャルメディアが心理的な障害を世界中に広げる要因になっているのではないかと考えているとのことです。

また多くの患者が以前、不安症や鬱などの診断を受けていたことも分かりました。

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