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国際通貨基金(IMF)は11日、不正が疑われているクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事を続投させると発表しました。

《詳細》

本欄「世銀、ビジネス環境評価で中国順位を不当繰り上げ 上層部による内部圧力と調査結果」で報じたように、ゲオルギエバ氏は世界銀行のCEO時代に、中国を利する形で報告書を改ざんしていた疑惑が指摘されています。世銀が今年9月に公表した報告書で明らかになりました。

同報告書によると、世銀が毎年発表する、各国および地域における企業活動のしやすさをランク付けする報告書「ビジネス環境の現状(Doing Business)」の2018年版(2017年10月に公表)で、同氏が中国の順位を不当に繰り上げていたとのことです。

中国の順位を上げるため職員に「不当な圧力」をかけたことを示す証言も記されており、ゲオルギエバ氏が不正にかかわったことは確実でしょう。

IMF最大出資国であるアメリカを筆頭に、不正に関する徹底調査を求める声が上がっており、IMF理事会は連日に渡って議論を重ねていました。しかし11日、理事会は「(ゲオルギエバ氏が)不適切な役割を担ったことを決定的に証明する情報はない」と結論づけ、同氏の続投を決めたということです。

IMFが出した声明によると、一連の不正疑惑に関して議論を重ねた上で、「示された証拠を検証した結果、専務理事のリーダーシップと、引き続き効果的に職務を遂行する能力を全面的に信頼することを再確認した」とのことです。

今回の決定を受け、米下院金融サービス委員会のメンバーで、同委員会共和党トップのパトリック・マクヘンリー下院議員は、バイデン政権がゲオルギエバ氏の解任を要求しなかったことを批判。「この決定はIMFにおけるアメリカのリーダーシップにひどい影響を与えることになる」「米政府が、米議会が超党派で持っている懸念を見過ごし、スキャンダルを隠蔽したい他国の圧力に屈するとは衝撃的だ」と声明で述べています。

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